平野地質研究グループ / Quaternary Basin Research Group

研究概要


当研究グループでは、日本列島に分布する堆積平野とその周辺の丘陵地を主な対象とし、それらの実態把握と形成プロセスの総合的な理解に努め、地質災害の軽減・産業立地・環境保全に貢献する地質情報を提供するための研究を行っています。産総研のプロジェクト研究(沿岸域プロジェクト、都市域の地質地盤図プロジェクト、陸域地質図プロジェクト、など)やグループ・個人研究を通して、地質情報の集積と高度化を図ります。平野を構成する地層の詳細な層序、地盤特性、地質構造などを把握し、それらの形成プロセスを明らかにするとともに地質情報のマップ化・カタログ化・データベース化を進めます。

主な研究テーマ

沿岸域の地質・活断層調査
GSJが第3期知的基盤整備計画に沿って取り組んでいる「沿岸域の地質・活断層調査プロジェクト」の一環として、沿岸平野の3次元的な地質モデルを構築するとともに、沿岸海域の地質とつなぎ合わせたシームレスな地質情報を提供します。
都市域の地質地盤図の作成
GSJが第3期知的基盤整備計画に沿って実施している「都市域の地質地盤図プロジェクト」に参画し、首都圏周辺における地下の3次元地質モデルを構築し、都市域の地質地盤図を提供します。
平野地域の地質図幅の作成
GSJが第3期知的基盤整備計画に沿って実施している「陸域地質図プロジェクト」の一環として、平野地域を含む5万分の1地質図幅の作成や20万分の1地質図幅の編纂を行います。
その他の地域の地質情報の整備
陸上・地下の第四紀層の標準層序を構築するとともに、データベース化を行います。
地盤災害の研究
大地震の際に発生した地滑り・斜面崩壊・液状化分布、大雨後の土石流の発生状況などの地質災害に関して、微地形や地盤特性との関係から分析します。また、歴史記録や自然災害が発生したときには、他グループや他機関の研究者と連携をとり、必要な調査を実施します。
地質標準構築の研究
地層編年の高精度化や堆積・侵食システムなどの詳細解析のため、生層序や広域テフラの模式地、堆積・侵食構造の明瞭な露出地域などに出かけ、カタログの作成や分類の体系化などを進めます。
関東平野第四紀地質の研究
つくば周辺地域の第四紀地質について地質調査を行い、地質情報を蓄積するとともに、アウトリーチに使える材料を整備します。また、地質調査所時代から残されているボーリングコアや他機関から提供されたコア試料などを順次分析し、地下地質情報の蓄積を行います。