目次
はじめに
本編中に記したように,2000年鳥取県西部地震は既知の活断層空白域で発生したものであり,空中写真判読による活断層やその可能性のあるリニアメントの検出・認定が必ずしも完全なものではなく,“未知の活断層” が日本には存在することを知らしめた.従って,空中写真判読を判断基準とする活断層認定では認知されていないが,将来活動しうる断層の地質学的実態を明らかにし,未確認活断層の評価手法を開発する必要があることから,産総研深部地質環境センターでは2000年以降,断層の物質科学的特徴に基づく新たな断層活動性評価手法の開発に向けた検討を進めてきた.その結果,花崗岩地域に形成される断層に関してはその古地震調査に基づく活動性と断層破砕帯に形成される断層岩(断層ガウジ)の物質科学的特徴にある程度の相関検討があることが示された(宮下ほか,2011a, b ;間中ほか,2011).ここでは,それらの成果に基づき,断層活動性評価手法の概要(4.2)と断層の活動性が断層ガウジの岩石鉱物学的特徴を規制する鉱物反応プロセスに対する定性的モデル(4.3)および活動性評価に必要な分析手法(4.4)を示す.
断層活動性と断層ガウジの鉱物学的特徴
2000年鳥取県西部地震の余震域周辺では多数のリニアメントが判読され(高田ほか,2003),露頭では面状カタクレーサイトや断層ガウジ等の断層岩が分布する(小林・杉山,2004).これら断層ガウジの頻度,幅,色相等の特徴・空間分布と2000年震源断層及び余震域との関係が整理され,2000年震源断層と調和的な活動を地質時代を通じて継続してきた断裂帯が確認された(相澤ほか,2005).このことから,従来の変動地形学的研究手法では検出が難しい活断層(あるいはその可能性のある断層)の検出・認定手法として,断層ガウジが利用できる可能性が小林・杉山(2004)により指摘されてきた.2000年鳥取県西部地震余震域およびその周辺地域を対象としてトレンチ掘削による古地震調査により最近数万年間の活動頻度に差異が認められる余震域のリニアメントとそれ以外のリニアメントに対して,周辺域に形成されている多数の断層ガウジの産状を調査・整理した結果,断層の活動性と断層岩の色相に明瞭な関係が認められる.即ち,2000年地震の余震分布域においては無彩色−還元色の断層ガウジが卓越し,活動間隔が長い周辺域では酸化色の断層ガウジの卓越する(小林,2003).この特徴は,他の断層(警固断層,野島断層)でも確認され,少なくとも花崗岩地域の低活動性断層の活動度評価においては,定性的な指標として活用できると考えられる(図4-1:小林ほか,2006;宮下ほか,2011a).
- 図4-1 2000年鳥取県西部地震余震域周辺から採取した断層ガウジの分光測色結果(宮下ほか,2011a).測定手法については本章-3節参照,鳥取県西部地震余震域の断層ガウジはa*値の小さな領域(即ち白色~青白色)にプロットされる.この傾向は,野島断層(1995年兵庫県南部地震の起震断層)および警固断層(2005年福岡県西方沖地震震源域の陸上延長部)の断層ガウジとも調和的である.
産総研深部地質環境研究コアでは,断層ガウジの色相変化をもたらしている構成物を明確にする為,鳥取県西部地域の断層ガウジに対してX線回折分析および段階溶媒抽出実験による鉱物同定作業を行った.その結果,余震域における淡緑~白色断層ガウジの構成物として,緑泥石,イライト,イライト/スメクタイト混合相が同定され,緑泥石・バーミキュライト.2価溶存鉄,ゲータイトの存在が推定された.一方,余震域から離れたリニアメント地域における褐~赤褐色断層ガウジについては,ハロイサイトが優勢で,ゲータイト,ヘマタイトと結晶性鉄鉱物の存在が推定された.このような鉱物相(特に含鉄鉱物相)の変化は花崗岩質破砕物の地表近傍での酸化作用を伴う相変化と考えられ,酸化反応の進行が断層ガウジの色相変化をもたらすと考えられられている(図4-2:宮下ほか,2011a;図4-3:産総研深部地質環境研究コア,2009).
- 図4-2 鳥取県西部地域に発達する各種の断層ガウジと種々の造岩鉱物の色相分布(宮下ほか,2011a).
2000年鳥取県西部地震余震域とその周辺のリニアメントおよび亀裂系に発達する花崗岩起源の断層ガウジと玄武岩質断層ガウジの色調を各種の鉱物(花崗岩に代表的な造岩鉱物及び結晶性の鉄鉱物)の色調を比較.
Ja;ジャルパ鉱, Bt; 黒雲母,Hb; 角閃石,Chl; 緑泥石,鉱物の色相についてはNakamura et al., (1992)による.
- 図4-3 花崗岩質断層ガウジの風化鉱物遷移パスとそれに伴う色相変化(産総研深部地質環境研究コア,2009).
このような鉱物相変化が断層活動性の指標となるのは,断層活動により発生する水素ガスが断層岩を稠密する地下水の酸化還元状態を制御し,結果的に断層ガウジの鉱物相が断層活動に対応する地下水性状変化変化を鉱物相として顕在化させると考えられている(図4-4;宮下ほか,2011b).すなわち断層ガウジの酸化反応は,地下深部で形成された断層破砕部が隆起活動により,還元帯から酸化帯に入った時点から進行する.断層が活動しない場合,断層ガウジ(すにわち花崗岩破砕物)には酸化反応が単調に進行していく(図中のライン(1) ).一方,酸化帯に入った後に断層破砕帯にズレ運動を発生すると,岩石破砕による水素ガスが発生し (Kita et al., 1982)断層破砕帯周辺は還元環境に引き戻される(図中のライン(2) ).断層運動が繰り返されると,結果的に断層活動の頻度に応じて断層破砕の酸化環境への遷移速度が抑制されることになる.このようなプロセスによって,断層活動度に起因する断層破砕帯の酸化還元環境の差が,断層活動性に対応する断層岩の鉱物相(色調)の差異として検出されると考えられる(図4-4;宮下ほか,2011b).
- 図4-4 断層活動と断層ガウジの酸化プロセス(宮下ほか,2011b).
断層ガウジを用いた断層活動性評価手法と判断指標
産総研深部地質環境研究コア(2009;2010)の成果に基づき,断層ガウジを用いた断層断層の活動性に必要な分析手法を[表4-1]に,手順の流れ図を[図4-5]にまとめた.断層活動性評価のうち,最近の活動経過期間の長短を判断するには,A)評価対象の断層における最新の断層ガウジの認定,B)断層ガウジの母岩岩種の認定,C)溶媒逐次抽出分析による各種鉄鉱物相対量比(断層粘土の発色をもたらす各種鉄鉱物量比)の特定が必要で,これに加え,断層再活動性のポテンシャルを評価する為には,D) 断層ガウジを構成する断層の起源(震源断層か,分岐断層か,浅所破砕部)の判定が必要である.これについては,断層岩の構成鉱物種の同定など断層破砕帯の熱履歴解析に加えて,MT法,地震波探査等の物理探査による断層の深部構造解析が必要となるが,これら物理探査手法に関しては本編では触れていない.
- 表4-1 断層ガウジの岩石鉱物種分析項目一覧(産総研深部地質環境研究コア,2010).
- 図4-5 断層ガウジに基づく断層活動性評価手法の流れ図(産総研深部地質環境研究コア,2010).
分析方法
以下に産総研深部地質環境研究コア(2010;2011),間中 (2011) による,断層ガウジの岩石鉱物分析手法について略記するによる.
薄片観察
断層破砕帯に形成されている断層ガウジの形成順序を判定するためには,野外から断層破砕帯をプロック状に切り出した後,樹脂による固定措置を施し,研磨片あるいは研磨薄片を用いた顕微鏡観察が必要である.また,断層ガウジの立体的な形成形成状態の確認のためには樹脂固定以前の試料を用いた微細X線CT観測も有効である.
色相測定
断層ガウジおよび花崗岩試料の測色には,分光測色法であるコニカミノルタ製分光測色計 CM-2600d を使用した.測定条件は以下の通り;照明径φ11mm,測定径φ8mm,光源パルスキセノンランプ,分光測色時の観察評価用光源は D65.観察条件として 10°視野,測定時間は各 1.5 秒.なお測色時には測色計付属の白色校正板による校正を実施した.
試料の測色には,自作の色調測定セルを用いた.測定セルは,5mm 厚の白色テフロン 板にφ13mm,深さ 1mm の窪みをつけたものである.窪みに試料を入れ,ガラス板などで試料表面を平らにし,試料の色調を測定する. 測色データは,国際照明委員会によって 1976 年に制定された CIE L*a*b*表色系によって表す.
断層破砕帯の母岩認定手法
地表に露出する風化作用や変質作用を被った岩石(すなわち現地性風化岩や堆積岩類)について,その原岩を化学組成から推定する方法が数多くの研究者によって議論されている(たとえばMcLennan et al., 1993; Condie, K.C., 1993; Fedo et al., 1995; Nesbitt and Markovics, 1997).これらは,水−岩石反応によって動きやすい元素と動きにくい元素を区別したり,比較的動きやすい元素ではあるけれども直ぐに風化鉱物に取り込まれる元素などを考慮して,原岩の判別に有効な元素が議論されている.また,Taylor and McLennan (1985)では海水中の滞留時間が短い元素は環境変化に強く動きにくいとして,堆積岩類の起源物質の特定に有効と議論している.このような検討の末に,原岩の推定に有用な主要元素にはAlとTiがあり,微量元素にはLa, Ce, Sc, Y, Th, Zr, Ga, Nb, Hf, Ta, Vなどがあるとされている.また,岩石の風化作用や変質作用が進むにつれて,これらの岩石中の濃度は変化する.たとえば,風化作用により動きにくい元素が残留すれば,これらの絶対濃度は相対的に上昇する.一方,風化作用により極端に風化耐性のある石英(SiO2)が濃集したり,粘土鉱物の生成によってH2O量が増加すると元素の希釈効果が生まれる.このようなことから,絶対濃度による議論では原岩の特定に困難が生じる可能性がある.そこで,一般には動きにくい2つの元素を利用した元素−元素比での解析が必要となる.
原岩の推定に必要なもうひとつの要素として,元素−元素比の組み合わせには,苦鉄質岩石に卓越する元素と珪長質岩に卓越する元素を組み合わせることがあげられる.これによって,岩石種の違いを区分することが容易となる.例えば,Ti/ZrとLa/Scを組み合わせた図では,高Ti/Zrかつ低La/Scの部分に玄武岩起源の風化砕屑物がプロットされ,低Ti/Zrかつ高La/Scの部分に花崗岩起源の風化砕屑物がプロットされる.このようにして,砕屑物の原岩を特定していくのである.
断層粘土の化学組成が形成される主要プロセスは,野外での観察から,最初の破壊過程によって細粒化した鉱物(もしくはメルトや変成鉱物となった物質)が,後の地層水の流入で変質・風化作用を被ることであると判断される.このことは,この間に起こる化学的プロセスは基本的に水−岩石反応(もしくはメルト−岩石反応との複合)であり,上述の堆積岩や風化砕屑物で起こっている元素の再配分と大きく変わらない.
ここでは,断層ガウジの全岩化学組成分析(全岩主成分及び微量元素組成分析;分析手法は:蛍光X線分析,ICP等)結果を用いた原岩判別図として,Th/TiO2 vs Zr/TiO2図,Th/Sc vs Zr/Sc図,Th/V vs Zr/V図を[図4-6]を示す.これらの図では右上のプロットほど酸性岩起源であり,左下ほど塩基性岩起源となる.テスト試料(鳥取県西部地域に分布する花崗岩および玄武岩,神奈川県丹沢山地の塩基性緑色岩およびそれ等を起源とする断層ガウジ)に対して有効に機能した.特筆すべきことは,断層ガウジの色相が様々であるにもかかわらず,それらの原岩が特定できたことで,見た目で同一色(白色)に近い断層粘土であるにもかかわらず,それぞれの原岩の違いが可能である(産総研深部地質環境研究コア,2010).
- 図4-6 断層ガウジおよびそれに関連する岩石の判別図(産総研深部地質環境研究コア,2010).
溶媒逐次抽出分析
粉砕した岩石試料2gを順次以下の4種類の抽出液で処理した.粉砕試料は4種それぞれの分析に先立ち,c-1)で後述する方法により色度測定を行う.なお本手法は,間中ほか(2012)に記載されており,本稿はその採録である.
抽出試薬
i)16.1g/Lのシュウ酸アンモニウムにシュウ酸を添加(およそ10 g/L程度)し,pH3.0に調整した溶液(TAO試薬)
ii)0.3M クエン酸三ナトリウムと0.2M炭酸水素ナトリウムの混合溶液(pHはおよそ8.5),岩石試料1gにつき1gの亜ニチオン酸ナトリウムを加える(CDB溶液)
iii)6M HCl溶液
iv) HF溶液
抽出作業
第1段階(TAO抽出)
2gの試料にシュウ酸とシュウ酸アンモニウム混合溶液のTAO試薬40mLを加え,暗室(もしくはアルミ箔で反応容器をくるむ)において室温で4時間振とうさせる.抽出液と残渣は3000回転で15分程度の遠心分離をした後,0.45μmメンブレンフィルターでろ過する.遠沈管の中の残渣を洗浄するために,抽出液10mLを加えよく攪拌したのちろ過を行う.さらに蒸留水10mLでろ紙上の残渣を洗浄・回収する.ろ過液と洗浄液をあわせた抽出液はフラクション1として後述する溶液分析に供する.残渣はデシケータ中で乾燥させ,乾燥後,前述の方法により色度測定を行う.
第2段階(CDB抽出)
色度測定後,残渣を精秤し,クエン酸三ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混合溶液60mLを加え85℃まで加熱した後,試料1gにつき1gの亜ニチオン酸ナトリウムを加え30分攪拌する.抽出液と残渣を遠心分離し,抽出液はろ過した.遠心分離の残渣については同様の抽出操作を繰り返した.抽出液をあわせ,硫化物の沈殿を防ぐために硝酸と塩酸を適量加え,時計皿で蓋をして溶液が透明になるまで煮沸した.この抽出液はフラクション2として後述する溶液分析に供した.遠沈管の中の残渣を洗浄するために,抽出液10mLを加えよく攪拌したのちろ過を行った.さらに蒸留水10mLでろ紙上の残渣を洗浄した.残渣はデシケータ中で乾燥させた.乾燥後,前述の方法により色度測定を行う.
第3段階(HCl抽出)
色度測定後,残渣を精秤し,6M塩酸60mLを加え,85℃で2時間攪拌したあと抽出液と残渣を前の抽出操作と同様に分離した.抽出液はフラクション2として後述する溶液分析に供した.遠沈管の中の残渣を洗浄するために,抽出液10mLを加えよく攪拌したのちろ過を行った.さらに蒸留水10mLでろ紙上の残渣を洗浄した.残渣はデシケータ中で乾燥させた.乾燥後,前述の方法により色度測定を行う.
第4段階
前述の(2)で指定した方法により色度測定後,残渣を精秤し,HF処理を行う.得られた溶液および残渣は同様に分析する.
溶液分析
各試料に対して,前述の手法により溶出した4種の溶液に対して,Fe,Ca,K,Mg,Mn,Alの6元素について原子吸光法により分析する.
余震域とそれ以外の地域のガウジの判別
テストフィールド(鳥取県西部地域)における,2000年鳥取県西部地震余震域とそれ以外のリニアメントに形成する断層ガウジに対する逐次選択抽出分析結果からは,両者のガウジを明瞭に区分することができた(産総研深部地質環境研究コア,2011;間中ほか,2012).図4-7にその判別図を示すが,本テストフィールドと気候環境が異なる地域においてもこの判別図をそのまま使用できるか否かについては今後のさらなる研究が必要である.
- 図4-7 逐次選択抽出分析データに基づく,余震域および日南湖リニアメントに分布する断層ガウジの判別境界図(産総研深部地質環境研究コア,2011;間中ほか,印刷中).○=余震域ガウジ試料,●=余震域風化 花崗岩試料
粉末X線回折分析
全岩試料の粉末X線回折分析
試料は乾燥機において50℃以下で24時間以上乾燥させ,粉砕(200mesh, 95%pass)し,分析試料とする.微粉砕された粉末試料は0.700gを上限として量りとり,X線回折用アルミニウムホルダーに充填して不定方位試料とする.試料量の少ないものについては,小型のアルミニウムホルダーに充填して測定を行う.
粘土粒子径試料の粉末X線回折分析
試料に含まれる<2μm径粒子を分離し,分析試料とする.試料は500mlビーカーにとり,蒸留水を加えて超音波洗浄機,攪拌機を用いて30分程度分散させる.室温で静置し,分散状態を確認した後,Stokesの法則に従って所定時間・所定深度より上の上澄み液を採取する.分散の不十分な試料については,分散剤として1Nの水酸化ナトリウムを適量加え,水中への粒子の分散を促す.その後,遠心分離による固体粒子の濃集操作を数度繰り返して,所定の画分の固体粒子を濃集・回収する.粗粒な画分についても同様操作により濃集させる.
回収した画分試料の懸濁液を,スライドガラスに無限厚さを保つように塗布し乾燥させ,X線回折試験を行う.なお,塩の析出により適切にスライドガラス上に試料が定置しない場合は,遠心分離により粘土画分を数度,蒸留水で洗浄した.
Target:Cu(Kα) | Monochrometer:Graphite湾曲 |
Voltage:40KV | Current:40mA |
Divergency Slit:1/2° | Scattering Slit:1/2° |
Recieving Slit:0.3mm | Scanning Speed:1°/min |
Sampling Range:0.02° | Scanning Range:2-50° |
Detector:SC | Scanning Mode:連続法 |
Calculation | Mode:cps |
定方位法によるエチレングリコール処理試料のX線回折
定方位法による未処理X線回折で測定した試料に対し,エチレングリコール処理をVapor法により行い測定を行う.処理方法は,金網を敷いて底上げした容器内にエチレングリコールを流し込み,金網上にスライドガラスに塗布したサンプルを置く.容器は密封し,70℃程度に加熱した乾燥機内で焼く半日間加熱した.サンプルが十分にエチレングリコール蒸気を吸収した後,X線回折を行った.測定条件は,b)に示される定方位法による未処理X線回折と同様である.
定方位法によるKイオン飽和処理試料のX線回折
各画分の固体粒子を含む遠沈管に1NのCH3COOK溶液を加え,内容物をよく混ぜ,遠心沈降させて上澄みは廃棄する(遠沈洗浄).水を加えて遠沈洗浄を2回行い,過剰の塩溶液を除いた.水をよくきり,少量の水を加えてスライドガラスに無限厚さを保つように塗布し,乾燥させX線回折測定を行なう.測定条件は,b)に示される定方位法による未処理X線回折と同様である.
定方位法によるMgイオン-グリセロール飽和処理試料のX線回折
1Nの(CH3COO)2Mg溶液を用い,Kイオン飽和処理と同じ手順でMgイオン飽和処理定方位試料を作成した.得られた試料をVapor法によりグリセロール処理した.なお,処理温度は100℃,加熱時間は約4時間である.測定条件は,上記示される定方位法による未処理X線回折と同様である.
引用文献
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