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技術資料 地質及び気候関連事象

地質及び気候関連事象:

  • 気候変動に伴う生態学的な変化 →(不明)
  • 気候変動に伴う人間の対応 →(不明)

 

目次

構造運動

構造運動は,地球内部の熱エネルギーが拡散する過程で地球内部のマントルが自発的に流動すること(マントル対流)により生ずる現象である.この現象の例としては,プレートの移動,衝突,沈み込み,プルーム(下部マントルから上昇する高温マントルの流れ),大陸の拡大,分裂(日本海の形成),などが挙げられる.

プルームの上昇

日本列島はプレート沈み込み部に位置するため,プレートの移動,衝突,沈み込みの影響は日本列島全体に及ぶ.プルームの影響も日本列島全体に及ぶ.(プルーム:下部マントルから上昇する高温マントルの流れ)

メカニズム
地球内部の熱エネルギーが拡散する過程で地球内部のマントルが自発的に流動すること(マントル対流)により生ずる現象
現象
プルームの上昇
大陸の拡大、分裂(日本海の形成)
時間的特徴(発生時期)
確率的(1/108年)
億年オーダー(プリュームの成長)
1500万年前(前回プリュームの上昇に伴なう日本列島の再配置)
時間的特徴(持続時間)
長期
100万年オーダー(日本列島の再配置期間)
空間的特徴(発生場所)
地域性なし
空間的特徴(広がり)
広域
日本列島全体に及ぶ
影響度
影響なし
1000万年オーダーで本事象が発生することはない

侵食/堆積

Erosion/deposition (fluvial, glacial or glacial-fluvial) in the biosphere (alluvium of the Rhine river valley) is affected by both geologic and climatic FEPs (see geologic and climatic domains, sections 9 and 10). … These processes may significantly affect the transport mechanism for radionuclides in the biosphere, over long timescales. (NAGRA)

構造運動・造山運動性

メカニズム

非地震性の変形が進行することで生じた隆起や沈降が、浸食堆積作用に変化を与える。地形勾配の増加は河川浸食・運搬作用の増加と岩盤クリープや地滑り等のマスムーブメントの活発化をもたらす。逆に地形勾配の減少は河川堆積作用の増加をもたらす。

現象

非地震性の地形変化による河川作用の変化

 

海側プレート沈み込み境界型地震性

メカニズム
  • 地震性の変形が累積することで生じた隆起や沈降が、浸食堆積作用に変化を与える。地形勾配の増加は河川浸食・運搬作用の増加と岩盤クリープや地すべり等のマスムーブメントの活発化をもたらす。逆に地形勾配の減少は河川堆積作用の増加をもたらす。
現象
  • 海側プレートの沈み込み境界付近の地震による地形変形がもたらす河川作用の変化

 

プレート衝突型地震性

メカニズム
  • 地震性の変形が累積することで生じた隆起や沈降が、浸食堆積作用に変化を与える。地形勾配の増加は河川浸食・運搬作用の増加と岩盤クリープや地滑り等のマスムーブメントの活発化をもたらす。逆に地形勾配の減少は河川堆積作用の増加をもたらす。
現象
  • 本州弧と伊豆弧の衝突部において現在活動的な境界となっている富士川河口断層帯、国府津ー松田断層帯沿いでの地震による地形変形がもたらす河川作用の変化

 

プレート内地震性-活断層沿い

メカニズム
  • 地震性の変形が累積することで生じた隆起や沈降が、浸食堆積作用に変化を与える。地形勾配の増加は河川浸食・運搬作用の増加と岩盤クリープや地滑り等のマスムーブメントの活発化をもたらす。逆に地形勾配の減少は河川堆積作用の増加をもたらす。
現象
  • 活断層沿いで発生する陸域の浅い地震による地形変化がもたらす河川作用の変化

 

プレート内地震性-活断層沿い以外

メカニズム
  • 地震性の変形が累積することで生じた隆起や沈降が、浸食堆積作用に変化を与える。地形勾配の増加は河川浸食・運搬作用の増加と岩盤クリープや地滑り等のマスムーブメントの活発化をもたらす。逆に地形勾配の減少は河川堆積作用の増加をもたらす。
現象
  • 活断層沿い以外で発生する陸域の浅い地震による地形変形がもたらす河川作用の変化

 

火山・マグマ性-既存

メカニズム
  • 火山性の変形が累積することで生じた隆起や沈降が、浸食堆積作用に変化を与える。地形勾配の増加は河川浸食・運搬作用の増加と岩盤クリープや地すべり等のマスムーブメントの活発化をもたらす。逆に地形勾配の減少は河川堆積作用の増加をもたらす。
  • 短期的(数年~数100年)には、噴火・山体崩壊による地形変化、砕屑物供給量の増加がもたらす堆積作用の変化の方が大きい。
現象

既存火山の活動による地形変化がもたらす河川作用の変化

 

火山・マグマ性-新規

メカニズム
  • 火山性の変形が累積することで生じた隆起や沈降が、浸食堆積作用に変化を与える。地形勾配の増加は河川浸食・運搬作用の増加と岩盤クリープや地すべり等のマスムーブメントの活発化をもたらす。逆に地形勾配の減少は河川堆積作用の増加をもたらす。
  • 短期的(数年~数100年)には、噴火・山体崩壊による地形変化、砕屑物供給量の増加がもたらす堆積作用の変化の方が大きい。
現象
  • 新規出現火山の活動による地形変形がもたらす河川作用の変化

 

海水準変動性

メカニズム
  • 陸域の浸食基準面は海面を基点としており、海水準の変動は基準面の上昇・低下に直結する。また、海水準の変動は海面と海底の間である堆積可能空間の増減に直結する。
現象
  • 浸食基準面の低下による浸食作用の進行と上昇による作用の鈍化
  • 浸食基準面の低下による岩盤クリープや地すべり等のマスムーブメントの活発化
  • 堆積可能空間の増減による堆積場の移動

 

局所的気候変動性

メカニズム

氷期/間氷期の気温・降水量の変化が河川による浸食堆積作用に影響する。

現象
  • 河川の堆積と下刻(気候段丘の形成)
  • 浸食による荷重現象による裂かの形成
  • 河川の下刻による岩盤クリープや地すべり等のマスムーブメントの活発化
  • 堆積による荷重増加がもたらす続成作用の進行

地質構造の変形

構造運動・造山運動性

メカニズム
  • プレート運動による非地震性の地質構造の変化
現象

・非地震性の隆起沈降、水平変位、褶曲の形成

 

海側プレート沈み込み境界型地震性

メカニズム
  • 地震を発生させた断層周辺の地質構造が弾性反発で変形する現象
現象
  • 海側プレートの沈み込み境界付近の地震による地質構造の変形(地震性の隆起沈降や水平変位・断層褶曲の形成・裂かの形成)

 

プレート衝突型地震性

メカニズム
  • 地震を発生させた断層周辺の地質構造が弾性反発で変形する現象
現象
  • 本州弧と伊豆弧の衝突部において現在活動的な境界となっている富士川河口断層帯、国府津ー松田断層帯沿いでの地震による地質構造の変形(地震性の隆起沈降や水平変位・断層褶曲の形成・裂かの形成)

 

プレート内地震性-活断層沿い

メカニズム

・地震を発生させた断層周辺の地質構造が弾性反発で変形する現象

現象

活断層沿いで発生する陸域の浅い地震による地質構造の変形(同上)

 

プレート内地震性-活断層沿い以外

メカニズム
  • 地震を発生させた断層周辺の地質構造が弾性反発で変形する現象
現象
  • 活断層沿い以外で発生する陸域の浅い地震による地質構造の変形(同上)

 

火山・マグマ性-既存

メカニズム
  • マグマ溜まりでの圧力の増減や地表付近へのマグマの上昇による周辺地質構造の変形
現象
  • 既存火山の活動による地質構造の変形(火山性の隆起沈降や水平変位・裂かの形成)

 

火山・マグマ性-新規

メカニズム
  • マグマ溜まりでの圧力の増減や地表付近へのマグマの上昇による周辺地質構造の変形
現象
  • 新規出現火山の活動による地質構造の変形(同上)

 

海水準変動性

メカニズム
  • 海水面の上昇・低下による荷重変化で地層が変形する
現象
  • 後氷期の海面上昇で起きるハイドロアイソスタティックな陸域の隆起沈降

 

地震活動

火成活動に伴う地震

Seismicity associated with future igneous activity in the Yucca Mountain region may affect repository performance (YMP)[Y]DE Seismicity associated with future igneous activity in the Yucca Mountain region may affect repository performance.
メカニズム
  • マグマ溜まりから地表付近へのマグマの上昇や側方への移動に伴う周辺地盤の破壊現象
現象
  • 既存火山での火山性地震及び微動
メカニズム
  • マグマ溜まりから地表付近へのマグマの上昇や側方への移動に伴う周辺地盤の破壊現象
現象
  • 新規出現火山での火山性地震及び微動

 

プレートの衝突に伴う地震

メカニズム

プレートの運動により岩盤に蓄積された弾性歪みエネルギーが、岩石の弾性限界を超えた時点で岩石が破壊(断層のずれ)することによって一気に解放される現象又はこれにより生ずる現象。

現象
  • 本州弧と伊豆弧の衝突部において現在活動的な境界となっている富士川河口断層帯、国府津ー松田断層帯沿いでの地震

 

陸側プレート内の浅い地震 <活断層沿い>

メカニズム

プレートの運動により岩盤に蓄積された弾性歪みエネルギーが、岩石の弾性限界を超えた時点で岩石が破壊(断層のずれ)することによって一気に開放される現象又はこれにより生ずる現象。

現象
  • 陸側プレート内の浅い地震(断層沿い):陸のプレート内で起きる地震(活断層沿いで発生)

 

海側プレートの沈み込み境界付近の地震

メカニズム

プレートの運動により岩盤に蓄積された弾性歪みエネルギーが、岩石の弾性限界を超えた時点で岩石が破壊(断層のずれ)することによって一気に解放される現象またはこれにより生ずる現象。

現象
  • 海側プレートの沈み込み境界付近の地震:沈み込む海のプレートと陸のプレートの境界部や沈み込む海のプレート内で起きる地震

 

陸側プレート内の浅い地震 <活断層沿い以外>)

メカニズム

プレートの運動により岩盤に蓄積された弾性歪みエネルギーが、岩石の弾性限界を超えた時点で岩石が破壊(断層のずれ)することによって一気に解放される現象又はこれにより生ずる現象。

現象
  • 陸側プレート内の浅い地震(活断層沿い以外):陸のプレート内で起きる地震(活断層沿い以外で発生)

 


火山・マグマ活動

既存火山の噴火

メカニズム
  • 深部で発生したマグマが浮力で上昇した後、深さ数km~10km前後の地下に一旦貯留しマグマ溜まりをつくる。噴火現象はマグマ溜まりに蓄えられたマグマが火道を通じて地表に噴出する現象
現象
  • 既存火山の噴火

 

既存火山の貫入

メカニズム
  • 深部で発生したマグマが浮力で上昇した後、深さ数km~10km前後の地下に一旦貯留しマグマ溜まりをつくる。噴火現象はマグマ溜まりに蓄えられたマグマが火道を通じて地表に噴出する現象
現象
  • 既存火山での貫入

 

既存火山の巨大噴火

メカニズム
  • 深部で発生したマグマが浮力で上昇した後、深さ数km~10km前後の地下に一旦貯留したマグマ溜まりをつくる。噴火現象はマグマ溜まりに蓄えられたマグマが火道を通じて地表に噴出する現象
現象
  • 既存火山の巨大噴火(噴出量10^2km³以上)

 

新規火山の噴火

メカニズム
  • 深部で発生したマグマが浮力で上昇した後、深さ数km~10km前後の地下に一旦貯留しマグマ溜まりをつくる。噴火現象はマグマ溜まりに蓄えられたマグマが火道を通じて地表に噴出する現象
現象
  • 新規出現火山の噴火

 

新規火山の貫入

メカニズム
  • 深部で発生したマグマが浮力で上昇した後、深さ数kmから10km前後の地下に一旦貯留しマグマ溜まりをつくる。噴火現象はマグマ溜まりに蓄えられたマグマが火道を通じて地表に噴出する現象
現象
  • 新規出現火山での貫入

 

熱水活動

A relationship between the increased geothermal gradient in Northern Switzerland and the Permo-Carboniferous Trough has been postulated on several occasions. The fault system at the margin of the trough appear to promote the rise of groundwaters. etc. (NAGRA)

海側プレート沈み込み境界型地震性

メカニズム
  • 地震により発生した熱水(断層発熱により新規に発生する熱水)や、既存の深部熱水が、地震によって新たに生じた又は再び開口した断層周辺の裂か系を介して上昇する現象
現象
  • 海側プレートの沈み込み境界付近の地震による深部熱水の上昇

 

プレート衝突型地震性

メカニズム
  • 地震により発生した熱水(断層発熱により新規に発生する熱水)や、既存の深部熱水が、地震によって新たに生じた又は再び開口した断層周辺の裂か系を介して上昇する現象
現象
  • 本州弧と伊豆弧の衝突部において現在活動的な境界となっている富士川河口断層帯、国府津ー松田断層帯沿いでの地震による深部熱水の上昇

 

プレート内地震性-活断層沿い

メカニズム
  • 地震により発生した熱水(断層発熱により新規に発生する熱水)や、既存の深部熱水が、地震によって新たに生じた又は再び開口した断層周辺の裂か系を介して上昇する現象
現象
  • 断層沿いで発生する陸域の浅い地震による深部熱水の上昇

 

プレート内地震性-活断層沿い以外

メカニズム
  • 地震により発生した熱水(断層発熱により新規に発生する熱水)や、既存の深部熱水が、地震によって新たに生じた又は再び開口した断層周辺の裂か系を介して上昇する現象
現象
  • 活断層沿い以外で発生する陸域の浅い地震による深部熱水の上昇

 

火山・マグマ性-既存

メカニズム
  • 地下のマグマからの火山性流体・火山性ガスの供給
  • マグマの熱による対流系の形成
現象
  • 既存火山の活動による熱水系の形成

 

火山・マグマ性-新規

メカニズム
  • 地下のマグマからの火山性流体・火山性ガスの供給
  • マグマの熱による対流系の形成
現象
  • 新規出現火山の活動による熱水系の形成

 

構造運動・造山運動性

メカニズム
  • プレート運動で沈み込むプレート内において、圧密による間隔水の絞り出し、変成作用による含水鉱物の脱水が起き、火山フロントよりも前弧側の非火山性地域でも熱水が発生・上昇する。
現象
  • 深部流体由来の熱水系の形成

地球規模気候変動

地域的・局所的気候変動

  • 地域的・局所的気候変動 → ×

 

海水準変動

構造運動・造山運動性

メカニズム
  • 陸が隆起沈降することにより相対的に海水準が変化すること。
現象
  • 海水面の上昇または低下

 

海側プレート沈み込み境界型地震性

メカニズム

陸が隆起沈降することにより相対的に海水準が変化すること

現象
  • 海側プレートの沈み込み境界付近の地震による隆起・沈降がもたらす海水面の上昇又は低下

 

プレート衝突型地震性

メカニズム
  • 陸が隆起沈降することにより相対的に海水準が変化すること
現象
  • 本州弧と伊豆弧の衝突部において現在活動的な境界となっている富士川河口断層帯、国府津ー松田断層帯沿いでの地震による隆起・沈降がもたらす海水面の上昇又は低下

 

プレート内地震性-活断層沿い

メカニズム
  • 陸が隆起沈降することにより相対的に海水準が変化すること
現象

活断層沿いで発生する陸域の浅い地震による隆起・沈降がもたらす海水面の上昇又は低下

 

プレート内地震性-活断層沿い以外

メカニズム
  • 陸が隆起沈降することにより相対的に海水準が変化すること
現象
  • 活断層沿い以外で発生する陸域の浅い地震による隆起・沈降がもたらす海水面の上昇又は低下

 

火山・マグマ性-既存

メカニズム
  • 陸が隆起することにより相対的に海水準が変化すること
現象
  • 既存火山の活動による隆起・沈降がもたらす海水面の上昇又は低下

 

火山・マグマ性-新規

メカニズム
  • 海が隆起沈降することにより相対的に海水準が変化すること
現象
  • 新規出現火山の活動による隆起・沈降がもたらす海水面の上昇又は低下

 

地球規模気候変動性

メカニズム
  • 大陸氷河の消長による海水量の増減と荷重変化による海底の隆起・沈降で汎世界的海水準変動(ユースタシー)が生じる。海水準変動は、ユースタシーに局地的な構造性の隆起・沈降(地層の変形)が加わったもの。
現象
  • 海水面の上昇と低下