気泡流動層石炭燃焼装置からのN2OとNOxの発生特性及び循環流動層燃焼との比較

問合わせ ひとつ戻る DB入口へ トップページへ PDF(イメージ)を見る

細田英雄/ 平間利昌
1996年1月 北海道工業技術研究所報告 65,14-20

 ベンチスケールの気泡流動層燃焼実験装置を使って,N2OとNOxの発生量に及ぼす各種操作条件と炭種の影響,ならびに2段燃焼と石灰石添加の効果を系統的に検討した。 N2O発生量は温度の低下及び残余酸素濃度とガス速度の増加と共に多くなった。 2段燃焼法と石灰石の添加は,いずれもN2O発生量の抑制に効果的であった。 8種類の石炭による単段燃焼条件下でのN2O発生量は20〜140ppmの範囲で,窒素含有率とともに増加する傾向が認められた。 一方,NOx発生量は240〜340ppmの範囲で炭種の依存性は小さかった。
 これらの結果を既報の循環流動層燃焼による結果と比較すると,気泡流動層の方がN2O発生量が少ない一方でNOx発生量は多いが,両者の総発生量にはほとんど差が認められなかった。 このように燃焼方式によって窒素酸化物発生特性が異なる原因に関して,粒子とガスの接触状態,及びそれにともなうN2OとNOxの気相での生成・分解反応に対する粒子の接触効果の違いを考慮して考察した。