スノースパイクタイヤの低公害化技術に関する研究
-第III章 形状記憶合金の応用物性-

問合わせ ひとつ戻る DB入口へ トップページへ PDF(イメージ)を見る

広木栄三/ 鈴木良和/ 窪田大
1989年1月 北海道工業開発試験所報告 48,27-36

 スパイクタイヤは,自動車が走行することによってタイヤゴムの伸縮変形,摩擦及び衝撃を受け,その結果発熱してタイヤ及びスパイクピンの温度が上昇する。 一方,走行中に路面状態が舗装路面から氷雪路面に変わると,氷雪の冷却作用でタイヤ及びスパイクピンは冷却される。 この温度差で変形する形状記憶合金をスパイクタイヤに用いると,氷雪路面を走行する時にスパイクピンの突出力や突出寸法を大きくし,舗装路面を走行する時には小さくすることが期待できる。 そのデバイス材として利用する場合に必要なNi-Ti系形状記憶合金を対象にして,熱処理条件による変態温度の調整,及び実用上問題となる熱サイクル劣化性について検討したので,これらの結果について報告する。