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アーカイブ室 標本管理業務

標本管理業務

地質の調査・研究では、岩石・鉱物・化石・ボーリングコアなどの様々な標本を扱います。研究成果の論文や報告書に記載した標本は、GSJで組織的に保存・管理をしています。地質情報基盤センターアーカイブ室では、その運用業務を担当しています。

地質標本の登録

研究者が調査・研究を進めている期間は、標本は研究者の手元にあります。必要に応じて詳しく観察したり、各種の分析に供したり、その結果は研究成果の重要な一部となります。一方で、研究が一段落してからは、標本はその研究の証拠としての役割を果たします。また、場合によっては後の時代に実現するはずの新たな分析手段に備えることもあります。これらはGSJで組織的に管理するため、研究者には情報を登録してもらい、保管場所に運び込んでもらいます。

地質標本の登録されるまで
野外で採集された標本は、研究のために観察・分析などに使われた後、登録され、長期保管されます。

GSJの管理する標本は原則として所属する研究者が採集してきたものですが、例外として所外から寄贈された標本や、購入した標本もあります。

2022年福徳岡ノ場海底火山の噴出物
例:2022年福徳岡ノ場海底火山の噴出物 (気象庁寄贈)

地質標本の管理

地質標本は、原則としてサイズの決まった容器に入れ、収蔵庫内の専用の標本棚に並べて保管します。

保管容器の例

保管容器の例

収蔵庫の例

収蔵庫の例


地質標本は、もともと野外に存在していたものなので、一般的には比較的丈夫ですが、管理に注意を要するものもあります。

  • 適切な温度・湿度管理:特に鉱物標本の中には空気中の水分を吸って膨張・変質・潮解してしまうものがあるので注意が必要です。
  • 適切な換気:標本庫には空調設備のない部屋も多いため、結露防止などに注意が必要です。
  • 装置のメンテナンス:標本はかなりの重量物ですので、運搬や収納のために各種の機械を使います。これらは安全のための定期的なメンテナンスが不可欠です。

標本は、安全性に関わる幾つかの特徴によって分類され、それぞれに適した保管を行います。

  • 放射性鉱物を含むもの
  • 可燃物・毒物などに相当するもの
  • とても貴重なもの
  • 極めて大型のもの

これらは必要に応じて管理区域を設定した専用の建物や倉庫で管理しています。金庫に保管する場合もあります。

原油標本
例:原油標本


地質標本の利活用

標本は既に公表された研究成果物の一部です。化石や鉱物の模式標本に代表されるように、後の時代に実物を確認・検証できるように長期の保管が必要なのです。その一方、新たな分析などのために研究で再利用したり、一般向けの紹介用に利用されたりすることもあります。

一般向けで一定のニーズがあるのが、各地の博物館やイベントでの実物展示、マスコミの報道や教科書に掲載するための画像提供です。

標本のデータ整備

GSJではその長い歴史を反映して大量の標本を所蔵しています。これらは必要なときに素早く探し出せることが必要です。かつては帳簿方式で管理していましたが、現在ではデータベースを整備しており、その一部は「地質標本データベース」としてウェブ公開されています。

データベースによる標本の情報表示の例

地質標本データベース


公開サービス

このようにして収集・管理されている標本は、その一部が以下のサービスを通じてご覧いただけます。様々な地質標本の世界をお楽しみください。


地質標本データベース
地質標本データベース
地質標本鑑賞会
地質標本鑑賞会
地質標本館
地質標本館

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