重力探査
重力探査とは
重力は重力加速度とも呼ばれ、地球からの引力と地球の自転に起因する遠心力の合力で、一般的には一定とみなされます。しかし実際には、万有引力の法則で表される通り、引力は物体の質量に比例し距離の二乗に反比例するので、密度の高い物体に近い場所では僅かに大きくなります。岩石の密度は種類や空隙率によって異なるため、観測された重力分布から様々な解析手法を用いて密度構造を求めることで、地下構造の推定が可能となります。
重力の測り方
重力計にも様々な種類がありますが、ここでは我々が普段使用しているばね式相対重力計について取り上げます。この重力計の測定原理はばねばかりと同じで、ばねとおもりで構成されます。ばねにかかる力はおもりの質量(m)と重力の積(g)となるため、おもりを変えることなく異なる場所でばねの伸びの違いを測ることで2地点の重力差を検出します。測定原理は非常にシンプルですが、地下構造探査で測定する重力の差は地表で我々が感じている重力の100万分の1以下です。そのため、重力計やそれを用いた測定には高い精度と安定性が求められます。重力計の種類は他に絶対重力計や超伝導重力計があり、また陸上以外にも海上や航空機、人工衛星からの観測など、目的とする用途に応じて様々な観測手法があります。
重力探査の使われ方
重力探査の目的には、地下構造の推定と時間的な密度変化の追跡(重力モニタリング)があります。地下構造推定では、調査領域の重力分布を面的に表現した重力異常図が作成されます。例えば、断層がある場所では岩石の空間分布が急に変化するため、それにあわせて重力も急変することがあります。重力探査の活用法の一例として、重力異常図からこのような特徴を抽出し断層の分布を調査することが挙げられます。次に重力モニタリングですが、これは重力を同じ場所で繰り返し測定することで、その場所の時間的な密度変化を検出する目的で実施されます。重力モニタリングは、火山地域や南極などで行われており、火山噴火の前駆現象や氷床の融解を捉える試みがなされています。近年では地熱発電に利用する貯留層やCO2地中貯留の状況を監視する方法としても注目されています。