サイズ数ミクロン程度の微小な半導体LEDを高密度に配列したマイクロLEDディスプレイはVR/AR端末のための高輝度・高精細・省電力のディスプレイとして期待されています。しかし、従来の誘導結合プラズマ(ICP)を用いた作製法では、LED側面の加工損傷が大きいため、LEDのサイズが小さくなると発光効率が著しく低下することが大きな問題になっていました。
中性粒子ビームエッチング技術は、東北大学(現在は台湾国立陽明交通大學)・寒川誠二教授が開発した半導体材料の無損傷加工技術です。今回、この方法によって3.5ミクロン角の高効率GaN青色マイクロLEDの作製に成功しました。端面での非発光再結合が全く見られず、むしろ素子が小さいほど外部量子効率が高くなりました。
X. L. Wang, X. X. Zhao, T. Takahashi, D. Ohori, S. Samukawa
“3.5 × 3.5 μm2 GaN blue micro-light-emitting diodes with negligible sidewall surface nonradiative
recombination”, Nature Commun. 14, 7569 (2023). DOI: https://doi.org/10.1038/s41467-023-43472-z
(オープンアクセス)
(東北大学、台湾国立陽明交通大學との共同研究)
本件連絡先
AIST Solutions 山本典孝 noritaka.yamamoto@aist-solutions.co.jp
窒化物半導体先進デバイスオープンイノベーションラボラトリ 王学論 xl.wang@aist.go.jp