ABCI-Qについて
ABCI-Qとは
ABCI-Qは量子コンピュータを活用するアプリケーション・ユースケース創出のための量子・古典ハイブリッドコンピューティングのための計算基盤です。 GPUを搭載したスーパーコンピュータである「システムH」を中核とし、3種類の量子コンピュータから構成されます。
- システムH:GPUスーパーコンピュータ
- システムF:超伝導量子コンピュータ
- システムQ:中性原子量子コンピュータ
- システムO:光量子コンピュータ
システムH上でのシミュレーション、3種類の量子コンピュータ、クラウドの量子コンピュータなど、用途に応じて様々な量子コンピュータを組み合わせたり、使い分けたりできる、最先端の量子・古典ハイブリッドコンピューティング環境を提供します。
システムH
計算ノード
計算ノードは、4基のNVIDIA H100 GPUアクセラレーターと2基の第3世代Intel Xeonスケーラブルプロセッサー(開発コード: Emerald Rapids) 、NVMe SSD 2基、1TB DDR5メモリを備えます。
計算ノードの単体性能は、科学技術計算で必要とされる倍精度浮動小数点演算においては、274 TFLOPSの性能を有します。 人工知能研究の機械学習に必要とされる半精度浮動小数点演算に置いては4,164 TFLOPSであり、1秒間に4千兆回演算を行う能力を有します。 全計算ノードの合算性能は138 PFLOPS (倍精度)、2.1 EFLOPS (半精度)です。
CPU | Intel Xeon Platinum 8558 Processor (2.1 GHz, 48 Cores, 260 MB Cache) ×2 |
GPU | NVIDIA H100 SXM5 80GB HBM3 ×4 |
Memory | 1TB DDR5-5200 |
Local Storage | 3.84TB NVMe SSD ×2 |
Interconnect | InfiniBand NDR200 (400Gbps) ×2 |
ストレージシステム
人工知能や、量子技術ユースケース開拓に用いる大容量データを格納するためのストレージシステムを10基備えており、これらを用いて共有ファイルシステムを提供しています。 共有ファイルシステムは、Lustreを用いて、高速分散ファイルシステムとして構成されており、約41PBの実効容量を有します。
ネットワーク
計算ノードと共有ファイルシステムは、高速なInfiniBandネットワークにより相互接続されます。 計算ノードは全ノードがInfiniBand NDRのフルバイセクションバンド幅で相互接続されます。
システムHと各量子コンピュータは専用回線で接続されます。
ソフトウェア
並列コンピューティング、GPUコンピューティング用の基本的なソフトウェアを複数配備しています。 利用者はこれらを組み合わせて、お気に入りのソフトウェアを追加導入することで、AI・量子コンピューティング研究のための自分専用の開発環境を構築することができます。
GPUを使用する量子インスパイアードアニーリングソフトウェアを複数種類配備しています。 オープンソースで開発・公開されている量子回路シミュレータと合わせて、多数の量子コンピューティング技術を試すことができます。
システムF
- 富士通社製の超伝導型量子コンピュータ
- 64物理量子ビット
- 富士通独自に開発した冷凍機内部の高密度配線実装技術、大型量子ビットチップ実装技術の適用
システムQ
- QuEra社製の中性原子型量子コンピュータ
- 256物理量子ビット、87Rb原子を利用
- 常温動作
- 光による原子トラップと操作
システムO
- 東大発量子コンピュータ製造ベンチャーOptQC社製の光量子コンピュータ
- 2025年度中に導入、2026年度に提供開始予定