伸張下におけるゴムのナノ構造の評価

事例No.

OK-0046

概要

原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、伸長によるゴムの不均一構造の変化をナノメートルオーダーで測定する。

お困りごと・要望

ゴムの構造を理解し、構造に基づく理論的な開発手法を構築したい。

事例提供機関

サンプル

ポリブタジエン(BR)の純ゴム加硫物

分析方法

1 mm厚みの架橋ゴムシートから剃刀刃で打ち抜いた短冊状試料を測定用治具に所定の伸張比で固定した後、クライオミクロトームで測定対称面を切削して平滑に調整。5×5 μmの範囲をPeakForceQNMモードによりフォースマッピング測定(256×256点)し、フォースカーブをJKR弾性体接触理論に基づいて解析して、弾性率像を得る。

分析結果

・いずれの伸張比においても、弾性率の高い部分と低い部分が観察され、単一組成のゴムでも不均一構造であることが分かった。
・100%の伸長では弾性率が一峰性のヒストグラム、200%、400%では二峰性のヒストグラムとなった。伸長によって不均一性が増大することが分かった。
・二峰性ヒストグラムの高弾性率側ピークと低弾性率側のピークでは伸長によるシフト量が異なり、変形が不均一であることが分かった。

関連装置

Bruker、Nanoscope V Controller MultiMode 8

コメント

ナノオーダーでの劣化の追跡への応用も可能。

適用可能な材料

合成ゴム