ポリマーブレンド相構造の可視化(酸化ルテニウム染色とトルエンエッチング)

事例No.

OK-0043

概要

ポリマーブレンドにおいて、その内部相構造を観察したい。

お困りごと・要望

ポリマーブレンド(ポリプロピレン/エラストマー)のモルフォロジーや分散粒子径が分からないので、可視化・観察したい。

事例提供機関

サンプル

ポリプロピレン(PP)/エラストマーブレンド

分析方法

凍結破断面を酸化ルテニウムで染色、あるいはトルエンによってエッチングし、SEMで観察する。

分析結果

このPP/エラストマー=80/20ブレンドでは、PPが連続相であり、エラストマーが粒子状で分散している。
前処理を行わない場合には、PPとエラストマーとが上手く観察できない。中央部の白く観察される物は異物である。酸化ルテニウムによるコントラストの強調では、よく染まるエラストマー部分が白く観察される。また、トルエンによるエッチングでは、エラストマーが溶出した跡が空孔として観察される。
このことによって海-島構造となるブレンドで、島となるエラストマーを観察できる。

関連装置

走査電子顕微鏡

コメント

材料によって前処理方法が全く異なります。また、連続相を形成する側をエッチングで溶出させてしまうと観察を行えません。材料や配合比をお伺いした後に、試行錯誤する必要があります。