樹脂製品中の金属異物の分析 (エネルギー分散型蛍光X線分析(EDX))
事例No.
OK-0042
概要
プラスチック・ゴム製品に混入した異物について、蛍光X線分析による異物の材質推定を行った。
お困りごと・要望
製品に混入した異物の材質を知りたい。
異物の発生源や混入工程の特定または絞り込みを行いたい。
事例提供機関
サンプル
分析方法
樹脂製品中の金属光沢異物について、エネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)(図1)を行った。
【エネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)】
蛍光X線分析では測定箇所の元素の種類と量を反映したスペクトルが得られる。
スペクトルの解析により、異物や材料の含有元素の推定が可能である。
分析結果
金属光沢異物からはFe(鉄)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)が検出され、
含有元素と主な組成比より、異物はSUS(ステンレス鋼)であることが推測された。
工程内において、混入が疑われたSUS製部品(SUS A、SUS B)の比較測定を行った。
図2と図3に得られた蛍光X線スペクトルの一部を示す。
(スペクトル中のX線強度はFeのピークで規格化処理を施している。)
異物と比べ、SUS AはCr量が大きく異なり、SUS A, BはMo量が大きく異なるため、
どちらも今回の異物原因ではないと推測された。
製造工程の調査範囲を広げ、比較物の分析を行ったところ、
異物と同様の組成のSUS部品と、発生源と思われる欠けが発見された。
コメント
異物の原因究明や発生対策、工程改善を行う場合には、比較物の測定による検証が有効的です。
適用可能な材料
樹脂・ゴム一般