加水分解したポリウレタンエラストマーのDSCによる評価

事例No.

OK-0021

概要

DSC測定によってポリウレタンエラストマーの加水分解劣化を評価する。

お困りごと・要望

劣化による外観変化の原因を知りたい。劣化のメカニズムを知りたい。

事例提供機関

サンプル

エステル系熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)
TPUの促進加水分解劣化物(80℃、95RH%)

分析方法

未伸長および伸長後のサンプルのDSC測定を行って、劣化による構造変化、それが材料特性に及ぼす影響を調査。

分析結果

・劣化によって30~50℃付近に結晶の融解ピーク(ソフトセグメント結晶の生成)が見られるようになった。
・伸長によってソフトセグメント結晶が増加した。
・ソフトセグメント結晶が残留ひずみに影響。

関連装置

コメント

劣化で生成したソフトセグメント結晶によって可視光が散乱されて不透明化する。

事例 「OK-0023: ポリウレタンエラストマーのハードセグメント凝集相とソフトセグメント結晶の定量」、 「OK-0022: 加水分解したポリウレタンエラストマーのX線回折による評価」、「OK-0024: ポリウレタンエラストマーのソフトセグメントの運動性の評価」も参照のこと

適用可能な材料

ポリウレタンエラストマー