蛍光X線分析(μEDX)による材質・異物の分析
事例No.
OK-0006
概要
プラスチック・ゴム製品に混入した異物について、蛍光X線分析(μEDX)による異物の材質について推定した。
お困りごと・要望
製品に混入した異物の材質を知りたい。異物の発生源や混入工程を絞り込みたい。
事例提供機関
サンプル
分析方法
微小部蛍光X線分析(μEDX)
蛍光X線分析では測定箇所の元素の種類と量を反映したスペクトルが得られる。
スペクトルの解析により、含有元素の推定が可能である。
分析結果
外観不良箇所について、試料表面から非破壊で正常部と不良部を測定した。
不良部では、正常部と異なる元素として、銅(Cu)が検出された。
不良部位を切断し、断面を顕微鏡観察したところ、金属光沢を持つ異物が発見された。
異物について蛍光X線分析を行った結果、銅(Cu)と亜鉛(Zn)が検出され、金属光沢を持つ異物は真鍮であると推定された。また、断面の変色領域のみ、銅(Cu)が検出された。
ゴムの加硫成形前に真鍮片が混入し、変色が生じたと推定されたため、再現試験を行った結果、同様の変色の発生が確認された。
関連装置
エネルギー分散型蛍光X線分析装置(μEDX)
コメント
「異物」と言われて持ち込まれるものの中には、異物が存在せず、キズ、変色、着色などの場合も少なくないため、分析担当者は、拡大鏡などを用いて自分自身でも観察をしておくことが望ましいです。
また、異物の原因究明や発生対策、工程改善を行う場合には、比較参照物の測定が重要となります。
適用可能な材料
樹脂・ゴム一般