赤外分光分析(FT-IR)による材質・異物の分析

事例No.

OK-0005

概要

プラスチック・ゴム材料に付着・混入した異物について、赤外分光分析(FT-IR)による異物の材質を推定した。

お困りごと・要望

製品に混入した異物の材質を知りたい。異物の発生源や混入工程を絞り込みたい。

事例提供機関

サンプル

プラスチック製品の外観不良品(プラスチックー青色塗装ークリアコート層の3層構造)

分析方法

赤外分光分析(FT-IR)によるスペクトル解析
 赤外分光分析では物質の分子構造を反映した赤外吸収スペクトルが得られる。
 スペクトルの解析や、参照物の測定結果との比較により、含まれている材質の推定が可能である。
光学顕微鏡による観察
 外観不良部について、表面と断面の顕微鏡観察も併せて行った。

分析結果

外観不良部について顕微鏡観察した結果、異物は埋没した状態であったため、試料の断面観察を行った。
異物は青色塗装内部は埋没しておらず、クリアコート層内に存在していた。
異物の一部を採取し、赤外分光分析を行ったところ、スペクトルはポリエチレンと一致した。
異物と青色塗装の間を剥離して分析した結果、クリアーコートは検出されなかったことから、青色塗装完了後、クリアコート塗装までの工程間において、異物が付着したものと推測された。

関連装置

コメント

「異物」と言われて持ち込まれるものの中には、異物が存在せず、キズ、変色、着色などの場合も少なくないため、分析担当者は、拡大鏡などを用いて自分自身でも観察をしておくことが望ましいです。
また、異物の原因究明や発生対策、工程改善を行う場合には、比較参照物の測定が重要となります。

適用可能な材料

樹脂・ゴム一般