樹脂中の酸化防止剤分析

事例No.

AT-0021

概要

PPの熱劣化は添加剤である酸化防止剤の消費に起因することが多い。LC-MSにより酸化防止剤の種類、濃度、更に加熱時間に伴う濃度減少を分析し、強度との相関を解析した。

お困りごと・要望

樹脂部品の使用環境における劣化が早く、不具合が発生している。不具合の原因を知りたい。

事例提供機関

サンプル

分析方法

PPの熱劣化は添加剤である酸化防止剤の消費に起因することが多い。LC-MSにより酸化防止剤の種類、濃度、更に加熱時間に伴う濃度減少を分析し、強度との相関を解析する。

分析結果

熱劣化試験(130 ℃) 開始後にIrgafos168が速やかに減少するとともに、その酸化体の増加が見られ、その後、酸化体も減少して10日目以降は定量下限以下となった。Irganox1010は加熱時間と共に緩やかに低下し、32日目までに初期値の1/4程度となった。破断応力および破断伸びは、加熱時間とともに緩やかに減少し、Irganox1010の減少と相関がみられた。

関連装置

トリプル四重極型LC/MS/MSシステムLCMS-8030(島津製作所)
引張試験機:EZ-LX ・島津製作所

適用可能な材料

PP, PEなど