高分子材料の熱分解GC-高分解能MSにおいて生成物の組成分析を簡便に行う手法

事例No.

AT-0015

概要

熱分解GC-高分解能MSとKMD解析を組み合わせることで、膨大な種類になる熱分解生成物の組成分析を迅速化できる。

お困りごと・要望

材料の成分を知りたい。
劣化の要因を知りたい。

事例提供機関

サンプル

硫黄系酸化防止剤(Irgafos168)を含むポリプロピレン

分析方法

熱分解GCMS:サンプルを瞬間的に熱分解・気化させ、それをGCMSにより分析する。今回用いた装置では質量分析部の分解能が高く、生成物の精密質量分析が可能。

分析結果

熱分解GCMSで検出される成分数は膨大になるため、一つ一つピークを解析することは現実的に困難である。例えば青枠内のシグナルの大多数はポリプロピレンの熱分解生成物由来であり、このままではIrgafos168の有無を調べることは困難であるが、これらすべてのシグナルを合算したマススペクトルを作成してKMD解析したところ、Irgafos168のシグナルが異なるKMD値(縦軸)として観測できたため、存在を簡便に判断することができた。

関連装置

熱分解GC-高分解能MS (フロンティアラボ, EGA/PY-3030D, JEOL, JMS-T200GC)

適用可能な材料

汎用樹脂