加熱プロセスにおける複合材料中の界面結合の形成過程を可視化

事例No.

AT-0013

概要

加熱プロセスにおける、複合材料界面で化学結合が形成する過程を、顕微赤外分光法により可視化した。

お困りごと・要望

複合材料を加熱した時の界面構造の変化を調べたい。

事例提供機関

サンプル

高分子複合材料:無水マレイン酸変性スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体とアミノ基修飾シリカフィラーを混合して作製

分析方法

加熱赤外分光 (IR) イメージングでは、加熱処理時の材料に対して、顕微IRスペクトルをその場分析することで、加熱処理に伴う局所的な結合形成に関する知見を得る。スペクトル解析に二次元相関法を活用することで、結合種を特定するとともに、結合の形成挙動を高感度で可視化する。

分析結果

サンプルを加熱チャンバーにセットし、加熱した状態で、顕微IRによりその場測定を行った。界面近傍において、無水マレイン酸基とアミノ基間のアミド結合形成に起因するスペクトル変化を検出した。加熱175℃以上により、結合形成が進行することが示された。成型、混錬等の加熱プロセスにおける、界面結合の形成 (リアクティブプロセッシング) の挙動を解明した。

関連装置

コメント

加熱チャンバーと顕微IR測定を組み合わせることで、界面等の局所領域における特殊な結合形成挙動を可視化できる。

適用可能な材料

複合材料、繊維強化樹脂