炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の熱水劣化メカニズム解析

事例No.

AT-0004

概要

劣化試験を行った炭素繊維強化樹脂について様々なスケールから構造解析を行い、解析データを総合的に考察して劣化メカニズムを明らかにした。

お困りごと・要望

加熱水蒸気により劣化した高分子複合材料の劣化メカニズムを知りたい。

事例提供機関

サンプル

分析方法

加熱水蒸気により劣化した熱可塑性炭素繊維強化樹脂をサンプルとし、GPC(分子量測定)、DSC(結晶構造解析)、動的粘弾性測定、陽電子消滅寿命測定等の、複数の分析手法を組み合わせてマルチスケール構造解析を行い、劣化メカニズムを考察した。

分析結果

劣化したサンプルでは、分子量の低下が起こるとともに、結晶化度の増大、および、自由体積空隙サイズの増大が起こっていることが分かった。結果を総合的に考察し、加熱水蒸気により分子運動性が増大して結晶化が進むとともに非晶部が低密度化し、浸入した水により加水分解が促進されて低分子量化が起こり、そこが起点となって微細クラックが発生するメカニズムを推定した。