高分子分離膜の微細空隙サイズ解析

事例No.

AT-0001

概要

分子間空隙の大きさを評価できる陽電子消滅寿命測定を活用し、高分子逆浸透膜の表面近傍にある分離活性層中の空隙サイズと透水性能の関係を明らかにした。

お困りごと・要望

分離膜の表面近傍にあるスキン層の緻密さを測りたい。

事例提供機関

サンプル

分析方法

水処理用の中空糸膜サンプルを、陽電子消滅寿命測定装置(Fuji-imvac PALS200A)を用いて、打ち込みエネルギーを変化させながら測定を行い、微細空隙サイズの深さ方向解析を実施した。

分析結果

陽電子打ち込みエネルギーが低い領域、すなわち表面近傍において、空隙サイズのプローブであるオルトポジトロニウム寿命が小さい部分があることが分かった。空隙を球体と仮定すると、この部分の空隙半径は約0.31nmとなり、透水速度や分離性能を決めていると考えられる。