物質の吸脱着特性評価

事例No.

AC-0018

概要

水晶振動子マイクロバランス法を用い、水晶センサー上にコートした薄膜物質をフローセル中に置き、溶液中の物質の吸着・脱着・反応を水晶センサー重量の変化からリアルタイムに評価。酵素分解特性やタンパク質の吸着特性を評価。

お困りごと・要望

水溶液中の物質の吸脱着をリアルタイムで評価したい。

事例提供機関

サンプル

分子レベル、ナノレベルでの物質同士の相互作用(吸着、脱離、反応等)、抗原・抗体反応等

分析方法

水晶振動子センサーの表面に、調べたい物質を薄膜コートする。スピンコーター等を用いる。薄膜は、20-30nm程度の厚さで、表面粗さは5nm以下程度にすると、信号が安定化しやすい。薄膜に相互作用する物質が吸着すると、センサー重量が重くなり、振動数が変化する。振動数変化から、吸着量が分かる。吸着速度なども測定できる。

分析結果

製造したナノセルロースを遠心分離で、サイズを整える。1万g程度の遠心分離で、太いナノセルロースは沈殿するため、上精を用いてセンサーを作製する。センサーをフローセルにセットし、ペリスタポンプで酵素(セルラーゼ等)を流すと、吸着して重量が増加するが、糖化で重量が次第に減少する。酵素の基質特異性を活用すると、ナノセルロース表面のヘミセルロース等の堆積状態を解析できる。ナノセルロースでセンサーを作製し、同じナノセルロースをフローセルに流すと、ナノセルロース同士の凝集特性を評価できる。ヘミセルロースが多いナノセルロースは、高純度ナノセルロースと比較して、凝集しにくい。

関連装置

コメント

水晶振動子マイクロバランス法では、センサーの作製がキーである。薄膜コートが重要である。センサーが作製できると、様々な物質をフローセルに流して、相互作用をリアルタイムで解析できる。また、物質の酸化による重量変化や膨潤度合いの評価もできる。

適用可能な材料

ナノセルロース、酵素、界面活性剤、触媒等