ナノセルロースの比表面積評価

事例No.

AC-0015

概要

含水ナノセルロース(機械処理、化学処理)をアルコール置換・凍結乾燥法や臨界点乾燥法により高度に凝集抑制して乾燥させ、ガス吸着BET法で比表面積を評価。

お困りごと・要望

ナノセルロースの比表面積を評価したい。

事例提供機関

サンプル

・木材、パルプ、柑橘果皮から機械的処理で製造したナノセルロース
・化学的処理を併用して製造したナノセルロース

分析方法

・ナノセルロースは、原料や製法によらず凝集性が高い。そのため、水をt-ブタノール置換して凍結乾燥すると、凝集を抑制できる。
・化学的処理併用で製造したナノセルロースは、幅3nm程度と超微細なため、t-ブタノール置-凍結乾燥法は十分ではないため、水をエタノールに置換後、超臨界二酸化炭素を用いた臨界点乾燥法で乾燥する。

分析結果

・t-ブタノール置換は、水が不均一に残らないように、繰り返し処理して完全に置換する必要がある。t-ブタノールは26℃程度で凝固するため、置換後に冷蔵庫等に入れ、凝固の進み程度から、置換の完了を確認する。
・超微細ナノセルロースの臨界点乾燥では、最初に、水をエタノール置換する必要がある。エタノール置換を完全に行わないと、臨界点乾燥後に凝集部が残存する。

関連装置

コメント

ナノセルロースの特性解析する各種分析・解析では、乾燥サンプルが必要である。水中のナノセルロースの状態を反映させて解析するためには、凝集抑制して乾燥サンプルを作製することが重要である。

適用可能な材料

・木材、パルプ、柑橘果皮から機械的処理で製造したナノセルロース
・化学的処理を併用して製造したナノセルロース
・微生物、植物組織等の含水サンプル