ナノセルロースの樹脂複合化特性評価

事例No.

AC-0012

概要

含水状態のナノセルロースを小型混練機を用いて固相せん断法によりポリプロピレン等との複合化を行い混練特性を評価。

お困りごと・要望

ナノセルロースの樹脂複合化特性を評価したい。

事例提供機関

サンプル

・当所で製造したパルプ由来および木粉由来ナノセルロースと複合化に用いる樹脂(ポリプロピレン)ペレットおよび粉末
・ナノセルロース樹脂(ポリプロピレン)複合材料を用いた射出成形体

分析方法

・マスターバッチ法:含水ナノセルロースを融点が100℃以下の特殊樹脂を用いてゆっくりと脱水・乾燥させながらマスターバッチを作製し、次いで、ナノセルロースの濃度を目的濃度(1wt%、5wt%)になるように通常のポリプロピレンを添加して、溶融混練する。得られた複合材料を射出成形して物性評価。
・固相せん断法:含水ナノセルロースを、目的樹脂の粉末(ポリプロピレン)に、溶融させない温度でせん断を印加して複合化。摩擦熱等で乾燥できるが、必要に応じて、オーブン乾燥も可能。乾燥後は、樹脂が溶融する温度に昇温して、混練する。得られた複合材料を射出成形して物性評価。

分析結果

マスターバッチ法および固相せん断法ともに、得られた複合材料は、引張強度、引張弾性率が向上した。特に、伸び物性は、一般的な複合化方法よりも向上した。この伸び特性は、ナノセルロースの高分散を反映している。

関連装置

コメント

ナノセルロース(セルロース)は、物質としては伸びない物性を持つ。そのため、複合化量を10wt%以上など、高濃度化すると複合材料の伸びは大きく低下し、硬くて脆い材料になりやすい。高濃度で複合化すると、熱流動性(メルトインデックス)も低下し(1以下)、射出成形が困難になる。

適用可能な材料

各種樹脂製品(日用品、容器、自動車部材、家電筐体、OA機器部材等、ただし、フィルムへの応用は簡単ではない)