少量での樹脂サンプル試験片作製

事例No.

AC-0006

概要

実機と同等機構の小型射出成形機を用いて100g程度の樹脂サンプルで、材料交換とダンベル・短冊試験片を連続で作製。

お困りごと・要望

少量樹脂サンプルで強度試験片を作製したい。

事例提供機関

サンプル

樹脂ペレットとフィラー

分析方法

入手した樹脂ペレットや試作した樹脂材料、溶融混練試験で作製したサンプル等の強度物性を評価するためには、強度試験装置で評価可能な試験片を作製する必要がある。サンプル量がわずかな場合は、ホットプルスによりシート化し、成形性を確認し、試験片が打ち抜ける場合は、JIS規格の治具を用いてダンベル等を作製する。ホットプレスによるサンプル作製は、比較的容易であるが、作製時の昇圧条件や保持時間等、再現性が低くなる場合があり、試験片の物性もバラつくことに注意が必要。サンプル量が100グラム程度以上ある場合は、小型射出成形機を用いる。射出成形は、基本的に条件が一定であり、試験片の強度物性等の再現性は向上する。また、繊維状のフィラー等は、射出成形により配向すると、強度物性も向上する。

分析結果

ホットプレスによる成形では、サンプルを挟んだ板(ステンレス等)に固着することを防止するため、剥離用に樹脂シートを用いる。テフロンシートがよく用いられるが、傷がついたてテフロンシートでは、その傷が成形したサンプルシートに転写される場合があり、強度物性に影響する。代わりに、ポリイミドフィルム(商品名:カプトン[東レ・デュポン(株)])を用いると効果的である。小型射出成形は、実機と同様の機構であるため、試験片の連続製造が可能でる。では、100グラムのサンプルで、5ショット以上の成形も可能である。

関連装置

コメント

試験片を作製して、強度試験等を実施する場合、1個のサンプルでの評価結果は、信頼性が低い。そのため、複数の試験片を作製する必要がある。また、試験片の間のバラつきも問題となる。そのため、再現性の高い試験片を作製するためには、成形条件、サンプルの保管条件、成形前の前処理(例えば、乾燥等)も重要である。

適用可能な材料

各種樹脂、各種複合材料、再生樹脂