少量での樹脂混練特性評価

事例No.

AC-0005

概要

10~400gの少量で樹脂に添加剤やフィラーを混練し、トルクや樹脂温度の変化から複合化特性を評価。

お困りごと・要望

少量樹脂サンプルで添加剤の混練特性を評価したい。

事例提供機関

サンプル

樹脂ペレットとフィラー

分析方法

評価したい樹脂やフィラーの量に応じて、容量の異なるニット(30mLと60mL)を用いて溶融混練試練を実施。混練試験では、ユニットの温度を樹脂が十分に溶融する温度に設定し、スクリューの回転数は、トルク値を考慮して設定する。モーターに大きな負荷がかかった場合は、ユニットの本体とのカップリング部の安全ピンが破断して、装置を保護する。そのような場合は、温度や回転数、投入サンプル量を調整する。混練開始から、トルク値、ユニット温度、樹脂(サンプル)温度[ユニット内部に樹脂用センサーあり]をモニタリングしながら、混練試験を実施する。所定の時間混練試験した後は、ユニットのブロックを取り外して、真ちゅうの治具を使ってサンプルを取り出す(サンプルが硬くなる前に)。スクリュー等にサンプルが固着している場合は、真ちゅうののタガネや真ちゅうのワイヤーブラシで清掃する。

分析結果

溶融混練試験によるフィラー分散性評価では、サンプルにより、トルクの変化や摩擦熱による樹脂温度の上昇が発生する。均一に分散できた場合は、トルク値はあまり変化しない。トルク値が低すぎる場合は、スクリューからのせん断がサンプルに伝搬していない可能性があり、フィラー分散も低い場合がある。混練試験では、積算した消費エネルギーの値も得ることができ、実機で実施した場合の生産性やコストの情報も得られる。

関連装置

コメント

小型の試験混練装置を用いて、少量の原料で異なる樹脂の混練試験やフィラーの分散試験を実施することが可能。少量で試験できるため、材料・素材のスクリーニングにも利用できる。また、大型実機では困難な高せん断での混練試験や混練時間の影響なども、トルクの値や材料の温度変化から評価できる。ただし、小型混練試験装置と大型実機とでは、スクリュー(フライト)やバレルの形状やギャップが異なるため、評価結果の相関性が低い場合もある。

適用可能な材料

各種樹脂、各種フィラー、樹脂添加剤、樹脂改質剤