研究内容

研究概要

本研究グループでは、情報通信技術のイノベーション創出を目的に、革新的な先端デバイスの開発に向けた技術シーズ開拓を基礎学理構築から進めています。そのためには、新材料の高品質な単結晶育成、薄膜試料作製、プロトタイプ素子作製や、新たな測定技術開発が不可欠で、当グループのコア技術を成しています。これを基にした次世代基盤技術、具体的には、量子コンピューティング・AIコンピューティング・パワーデバイスなどに資する技術開発もおこなっています。ニーズが顕在化する前の先の先の技術を目指していることから、研究対象となる材料は、強相関電子系、超伝導体、トポロジカル物質、強誘電体、酸化物半導体、軟磁性体と極めて多岐にわたっています。

    高品位単結晶作製と新機能材料開発

    従来のフローティング・ゾーン(FZ)結晶製造技術では、広範囲加熱や不均一加熱が原因となり、結晶育成の不安定性と結晶性の劣化が問題となっていました。 これらの問題点を解決するために、良好な集光性を特長とした高効率レーザー・ダイオード(LD)を加熱源とする方法を考案・設計し、実証する研究を行っています。 このLDFZ結晶製造技術は結晶育成の安定性向上、結晶の高品質化などの特長があり、この技術により、従来は製造が困難であった室温マルチフェロイックBiFeO3大型結晶の育成に成功しました。この高品位単結晶作製技術を基盤として、巨大応答を示すペ強相関酸化物、次世代パワーデバイス材料と期待されているβ-Ga2O3などの新機能材料を開発しています。

    酸化物新原理デバイスの研究開発

    強相関酸化物の多彩な電子相や磁気的、電気的、光学的な性質の劇的な変化をともなう電子相転移を活用した新しい機能性デバイスの開発が模索されていますが、新しい材料を用いたデバイス開発では、界面の理解と制御が必要不可欠です。 われわれは、原子レベルで平坦な界面を持つ強相関ヘテロ接合や超格子を作製し、電気的性質や光学応答などの測定を通して界面物性を系統的に理解するとともに、プロトタイプによる強相関デバイス機能の実証を目指しています。 例えば、金属‐絶縁体転移(モット転移)を利用したトランジスタ、強誘電体の分極反転を利用した新規抵抗変化不揮発性メモリ(ReRAM)などの研究開発を行っています。 また、これらの素子を用いてニューロモルフィック素子の研究開発も行っています。

    トポロジカル量子技術基盤

    <準備中>