研究紹介
当研究グループは、高次機能を司る脳神経の機能発現に重要な役割を担っているタンパク質やシグナル分子、生理活性ペプチドを同定・解析します。さらに、それらのタンパク質の利用して、脳神経疾患の治療のための創薬開発に貢献することを目指しています。この目標達成に向けて、以下のテーマに基づいて研究を進めています。
脳神経系におけるエピジェネティクス制御因子の機能解析とその創薬への応用
本研究は、DNAメチル化やクロマチン構造変換といったエピゲノム(エピジェネティクス)制御機構が、脳の発生や高次機能にどのような役割を果たしているのかを明らかにすることを目指しています。さらに、そこから得られた知見を基に、疾患モデル動物の作製など脳神経疾患の治療に貢献する材料の開発を行います。
生理活性ペプチドの同定と指向的進化
本研究は、ヘビ、アリといった毒産生生物の毒液中からイオンチャネルブロッカー、酵素阻害剤、抗菌物質などの生理活性ペプチドを探索し、その機能解析を行います。さらに、指向的分子進化の技術を使って、これらのペプチドに新たな機能を付与し、医療応用を目指します。
神経分化制御因子の探索
本研究は、神経分化の仕組みを明らかにするために、ヒトに近縁で体のつくりが単純なホヤを用いて行います。外胚葉の運命が神経と表皮に決まる仕組み、神経が中枢神経系と末梢神経系に分化する仕組みの解明に取り組みます。神経分化制御因子を同定し、神経分化に関わる遺伝子ネットワークの解明を目指します。