物体から出入りする熱エネルギーの計測を実現する技術
ー フレキシブル熱流束センサ ー
研究のねらい
近年、モノやヒトの熱的状態を高精度かつ非侵襲に把握するニーズが高まっています。
本研究では、物体表面の熱流束を柔軟なセンサで計測することで、従来の温度計測だけでは捉えきれなかった熱移動の動態を可視化し、
熱マネジメントやウェルネス・ヘルスケア分野への応用を目指します。
さらに、計測手法を工夫することで、熱流束情報から対象の内部温度、たとえば人体の深部体温の推定も可能となり、
体調管理や疾病予兆検知といった新たな付加価値の創出が期待されます。
柔軟かつ高感度な熱流束センシング技術の確立により、次世代のスマートセンシング社会に貢献することを目指します。
主な成果
熱電変換材料のゼーベック効果を利用して、フィルム状センサの断面を通過した熱エネルギー量を電圧に変換して計測を行うセンサを開発しています。
材料としてカーボンナノチューブをベースにしたコンポジット材料を用いており、これを溶液・分散液化したものを液体プロセスによってフレキシブル基材へ塗布することで、 高い形状任意性を有するセンサを作製します。
厚み方向に高感度化するために、基材へ開けたスルーホールに熱電変換材料を充填していることを特徴としたセンサで、 物から物への熱伝導や、人の身体からの放熱量を計測することができます。
また体の表面に貼り付けるだけで非侵襲的に身体内部の温度を推定できる、深部体温計測技術の研究も行っています。
材料としてカーボンナノチューブをベースにしたコンポジット材料を用いており、これを溶液・分散液化したものを液体プロセスによってフレキシブル基材へ塗布することで、 高い形状任意性を有するセンサを作製します。
厚み方向に高感度化するために、基材へ開けたスルーホールに熱電変換材料を充填していることを特徴としたセンサで、 物から物への熱伝導や、人の身体からの放熱量を計測することができます。
また体の表面に貼り付けるだけで非侵襲的に身体内部の温度を推定できる、深部体温計測技術の研究も行っています。

熱流束センサの模式図
用途・展開先
製品の熱設計への応用、人の体調管理や疾病予防