次世代通信を支える材料開発
ー 計算材料科学を利用した窒化物圧電材料の開発 ー
研究のねらい
アルミニウムと窒素の化合物である窒化アルミニウム(AlN)は圧電性を有するため、圧力センサやスマートフォンの周波数フィルタに利用されています。
進行する社会のIoT化に伴って、高い感度の圧力センサや高周波に対応した周波数フィルタが要求されます。
このような電子部品の性能を担保するのが圧電体の性能であり、私たちは窒化物薄膜をベースに高い圧電特性を有する新たな材料の開発に取り組んでいます。
さらに、コンピュータシミュレーションを活用した材料探索や、材料性能を引き出す方策を検討し実証することにも注力しています。
主な成果
これまでに計算材料科学を活用して、AlN系の新規圧電材料の探索に取り組み有望な材料群を多数見出すことができました。
ここでは圧電特性を向上させる原理についても第一原理計算で考察し、新たな圧電材料を探索する指針を獲得しました。
また、理論計算で有望な圧電材料を見出しても、実験で予測した材料の作製が難しく、必ずしも期待される性能が発現されないことがあります。
そのような課題の解決にも取り組み、スカンジウムを添加したAlNを対象に高い圧電性能を得ることにも成功しました。
<主な外部研究資金>
1)科研費・基盤研究B「窒化物圧電薄膜におけるミクロ組織の設計ストラテジーの確立」(代表)
2)科研費・若手「AlN系圧電薄膜の固溶限拡大に関する研究」(代表)
3)科研費・若手「Wurtzite型窒化物圧電体の熱力学的安定性と材料設計指針」(代表)
ここでは圧電特性を向上させる原理についても第一原理計算で考察し、新たな圧電材料を探索する指針を獲得しました。
また、理論計算で有望な圧電材料を見出しても、実験で予測した材料の作製が難しく、必ずしも期待される性能が発現されないことがあります。
そのような課題の解決にも取り組み、スカンジウムを添加したAlNを対象に高い圧電性能を得ることにも成功しました。
<主な外部研究資金>
1)科研費・基盤研究B「窒化物圧電薄膜におけるミクロ組織の設計ストラテジーの確立」(代表)
2)科研費・若手「AlN系圧電薄膜の固溶限拡大に関する研究」(代表)
3)科研費・若手「Wurtzite型窒化物圧電体の熱力学的安定性と材料設計指針」(代表)

X元素添加AlNの最大固溶量と圧電定数の関係

ScAlN薄膜の圧電定数と薄膜組織の模式図
用途・展開先
スマートフォン等の周波数フィルタ向け圧電材料、圧力センサ用材料、超音波距離センサ用材料など
成果リスト
外部リンク
1)産総研プレスリリース
「高周波通信に貢献する圧電薄膜の作製に成功」