センサ情報の安全を実現する技術
ー フレキシブルなPUFセキュリティ素子 ー
研究のねらい
大量のセンサ端末がネットワークに接続されるトリリオンセンサ社会が提唱されていますが、大量のデバイスのセキュリティをどう確保するかは重要な問題です。
物理複製困難関数(PUF)は、同一条件で製造しても必ず生じる制御不可能な特性ばらつきをデバイスの指紋のように扱う人工物メトリクスと呼ばれるセキュリティ技術であり、
個体識別や真贋判定等への応用が期待されています。
我々は、印刷プロセスや有機デバイスで生じるばらつき要素をPUFとして利用するセキュリティデバイスの開発を行っています。
主な成果
印刷で作製可能な簡易構造のPUFセキュリティ素子を新たに開発しました。
この素子は、対向電極間に導電フィラーを印刷した際に、印刷のばらつき要素によりランダムに配置された導電フィラーが50%の確率で導通経路を形成する仕組みになっており、 導通/非導通の情報が1/0のビット情報になります。
コインの表裏のように1/0を50%の出現確率にできること、この1/0の並びは予想できないこと、同じように作っても毎回1/0の出現パターンが異なることから、 PUFとしての利用が可能です。
また有機回路を形成した際の有機材料の特性ばらつきを利用した有機回路PUFについても開発を行っています。
有機回路型PUFも同様に、特性ばらつきの出現パターンはデバイス毎に異なる固有パターンとなります。
本PUFセキュリティ素子を偽造・複製防止用のタグシートとして応用し、低コストなセキュリティシステム構築を目指しています。
この素子は、対向電極間に導電フィラーを印刷した際に、印刷のばらつき要素によりランダムに配置された導電フィラーが50%の確率で導通経路を形成する仕組みになっており、 導通/非導通の情報が1/0のビット情報になります。
コインの表裏のように1/0を50%の出現確率にできること、この1/0の並びは予想できないこと、同じように作っても毎回1/0の出現パターンが異なることから、 PUFとしての利用が可能です。
また有機回路を形成した際の有機材料の特性ばらつきを利用した有機回路PUFについても開発を行っています。
有機回路型PUFも同様に、特性ばらつきの出現パターンはデバイス毎に異なる固有パターンとなります。
本PUFセキュリティ素子を偽造・複製防止用のタグシートとして応用し、低コストなセキュリティシステム構築を目指しています。

図1 印刷導電フィラー型PUFの原理イメージ

図2 有機PUF回路のセキュリティタグ応用イメージ
用途・展開先
真贋判定、個体認証、トレーサビリティ等のセキュリティサービス
成果リスト
1)
Y. Watanabe et al., Jpn. J. Appl. Phys., 61, SE1005 (2022)
2) K. Kuribara et al. Organic Electronics 51 (2017)pp. 137-141.
3) K. Kuribara et al. Jpn. J. Appl. Phys. 61, SE1016 (2022).
※この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の結果得られたものです。
2) K. Kuribara et al. Organic Electronics 51 (2017)pp. 137-141.
3) K. Kuribara et al. Jpn. J. Appl. Phys. 61, SE1016 (2022).
※この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の結果得られたものです。