太陽電池の原理

原理の概要 ― 中級編 ―

太陽電池は、半導体を利用して、光エネルギーを直接的に電力に変換します。では、どのような仕組みで変換するのでしょう。

私たちの身の回りの物質には、無数の「電子」が含まれています。電子は光に敏感で、光を受けると、それを吸収したり、反射したりします。物質に光が当たると、物質の中の電子が光のエネルギーを吸収します(*1)。エネルギーを吸収した電子は、周囲にそのエネルギーをばらまいて元に戻ろうとします。ばらまかれたエネルギーが熱になり、物質全体を暖めます。太陽の光に当たると暖かくなるのはこのためです(図1)。

太陽電池に光が当たると、普通の物質と同じように、電子が光のエネルギーを吸収します。太陽電池は、この「エネルギーを吸収した電子」を選別して、外部の電気回路へと押し出します。エネルギーを吸収した電子を選別する仕掛けには、半導体の性質を利用しています。光のエネルギーを吸収した電子は、太陽電池の中の仕掛けによって、太陽電池の外部に取り出されます。取り出された電子は、外部の電気回路の中でエネルギーを発散させてから、太陽電池に戻ってきます(図2)。

まとめますと、太陽電池とは、

  1. 光のエネルギーを直接、電子に吸収させる。
  2. 吸収させたエネルギーを「電子を押し流す力」(すなわち電力)として外に取り出す。

という仕掛けなのです。

(*1)…このように光が電子にエネルギーを与える現象は、「光電効果」と呼ばれます。1905年頃にアインシュタインによって理論付けされ、現代物理学が飛躍的に発展するきっかけになりました。

図1

↑図1 物に光が当たってから熱に変わる過程には、電子が関与している

図2

↑図2 太陽電池は、光のエネルギーを吸収した電子を選別して利用する

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