"河川流域における化学物質リスク評価のための産総研−水系暴露解析モデルの開発

石川 百合子、東海 明宏

産業技術総合研究所

水環境学会誌、Vol.29 No.12 pp.797-807 (2006)


概要

本研究では,対象化学物質のPRTRの排出量データと基本的な物性をもとに,水系暴露濃度を1日ごとに1kmメッシュ単位で推定するモデルを開発し,モデルの性能および現況再現性を示した。主に水系で使用されるNPnEO,NP,LAS,BPAを対象として,多摩川流域における水系暴露濃度を推定し,排出量および河川水濃度の面的分布を比較した。その結果、各化学物質の排出源の特性や分解速度、Kocなどの物性のちがいが、水系暴露濃度の時空間変動に反映されたことが示された。実測値と比較した結果,計算値は実測値のレベルとほぼ合っており,本モデルは現況を再現できるものであった。

キーワード

水系暴露解析モデル、化学物質、リスク評価、PRTR、排出量、暴露濃度、検証


化学物質リスク管理研究センター

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