"トリブチルスズの詳細リスク評価"
堀口 文男、中田 喜三郎
産業技術総合研究所
海洋理工学会平成18年度秋季大会講演論文集,pp.91-92 (2006)
概要
トリブチルスズ(TBT)は、生物に対する殺生効果とその持続期間、製造の簡易さから船底への生物付着防汚物質として船底塗料に利用されていた。しかし、船底に付着する生物以外の海洋生物にも有害な影響を及ぼしていることが次第に明らかとなり、世界各国において諸規制が施行され、TBTの環境水中濃度は低下してきた。ここで問題となるのは、環境水中のTBT濃度の低下が、はたして海洋生物を保護するに十分なレベルにまでリスクを取り除いているのかどうかが明らかにされていないという点である。東京湾におけるTBTの排出と挙動を数値モデルで再現し、モデル計算より算出された底層での溶存態TBT濃度を用いて生態リスク評価を行った。
キーワード
トリブチルスズ、船底塗料、東京湾、生態リスク評価、生態リスク評価モデル