"経営戦略としての化学物質リスク評価・リスク管理〜守りの技術経営が攻めに不可欠〜"
岸本 充生
産業技術総合研究所
日仏工業
概要
これまでの企業活動は,環境安全規制などの法規制を遵守するという守りの側面と,技術革新や製品開発を進めるという攻めの側面とは別々に考えられてきた.また,経営リスク管理の文脈においても,化学物質や新規技術の安全性に起因するリスク(守りの失敗)と技術や製品の開発投資に失敗するリスク(攻めの失敗)は別々に扱われていた.本稿では,これからの企業活動では,守りの側面と攻めの側面を一体化して捉え,戦略的に進めていく必要があること,リスク評価やリスク管理は受け身の姿勢で実施するものではなく,競争力の観点から自ら戦略的に取り組んでいくべきものであることを述べる.
キーワード
新技術,リスク評価,テクノロジー・アセスメント,化学物質,リスク管理