"メソスケール気象モデルを用いた長期平均濃度評価手法の検討(I)気象パターン分類と関東平野のNOx評価"
吉門 洋1, 白川 泰樹2, 中野俊夫2, 工藤泰子2, 鈴木基雄2
1産業技術総合研究所
2日本気象協会
大気環境学会誌, Vol.41 No.1 pp.1-14 (2006)
概要
メソスケール気象モデルにオイラー型の物質輸送拡散モデルを組み合わせた濃度分布シミュレーション手法を用いて、従来のプルーム型モデルでは困難な広域性あるいは非保存性の大気汚染物質の長期平均濃度を予測する方法について論じた。作業手順は大略、以下の3段階になる。(1)対象地域全体の気象パターンを1日単位で特徴づけ、対象期間の毎日を気象パターンによりグループ分けするとともに、各グループの出現頻度を求める。(2)主要な気象パターンについて、グループのうちで平均に近いパターンの日を代表日として選出し、濃度分布シミュレーションを行う。(3)各グループの結果を出現頻度の重み付けで平均する集成計算により、対象期間の平均濃度分布を推算する。1994〜1996年度の関東地方の窒素酸化物を対象として、長期平均濃度予測を試験的に運用した。
キーワード
long-term average concentration, mesoscale meteorological model, weather patterns, nitrogen oxides, Kanto district