"日本における非鉄金属生産過程を通じたカドミウム廃棄量の推定"
小野 恭子, 蒲生 昌, 中西 準子
産業技術総合研究所
環境科学会誌, Vol.18 No.6 pp.573-582 (2005)
概要
カドミウム(Cd)の主要な発生源として従来から指摘されていた、非鉄金属の採鉱・製錬に起因する廃棄量を、亜鉛(Zn)生産量と鉱石中でのCdのZnに対する存在比(Cd/Zn比)とを用いて経年的に推定した。その結果、日本国内における非鉄金属鉱山の採鉱により廃棄されたCdの量は、1915年から1999年の合計で約3,700tと推定された。年あたりの廃棄量では、1945年以前がそれ以降に比べて大きいと計算された。また、製錬を経たがCd金属として回収されなかったCdの量は1915年から1999年の合計で約28,000tと推定された。これらの排出形態や排出先についても、経年的な変遷を含めて考察した。
キーワード
カドミウム(Cd)、亜鉛(Zn)、非鉄金属鉱山、非鉄金属製錬、Cd/Zn比