"溶媒への溶解による発砲ポリスチレンからの有害物質の放出に関する研究

勝山 泰郎1, 斎藤 篤2, 熊谷 一清1, 篠原 直秀3, 藤井 実4, 柳沢 幸雄1

1東京大学
2市進学院
3産業技術総合研究所
4国立環境研究所

室内環境学会誌, Vol.7 No.2 pp.1-6 (2004) 


概要

発泡ポリスチレンと液体トルエン及びリモネンに溶解させ、TD-GC/MSを用いて発生した化学物質に対して定性、定量を行った。その結果、発泡剤として使用されているペンタン、1-クロロ-1,1-ジクロロエタン、ジクロロエタンや、ポリスチレンの主原料物質であるスチレンが検出された。

溶媒の違いや時間経過による変化が見られないことから、これらの物質は反応などによって生じたものではなく、発泡剤によって作られた発泡ポリスチレン内の隙間の中に残留していたものであると考えられた。

また放散されうるスチレンの量は最大で発泡ポリスチレンあたり5.07×10-2 wt%と求められ、断熱材として家の外壁等に使用された場合、スチレンの室内濃度は10.1 g/m3となることが試算された。

キーワード

expanded polystyrene, interaction, styrene


化学物質リスク管理研究センター

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