"メダカ(Oryzias latipes)第二次性徴による量的内分泌撹乱影響評価のための有効な手法(分節計数法)

林 彬勒1, 萩野 哲2, 籠島 通夫2, 芦田 昭二2, 岩松 鷹司3, 東海 明宏1, 吉田 喜久雄1, 米澤 義堯1, 冨永 衞1, 中西 準子1

1産業技術総合研究所
2住化テクノサービス株式会社
3愛知教育大学

日本水環境学会誌 , Vol.27 No.1 pp.47-51 (2003) 


概要

本論文ではメダカ(Oryzias latipes)S-rR系を用いた、より数量的で有効な第二次性徴の観察法(分節計数法)について述べる。内分泌撹乱の懸念を有する化学物質に暴露された魚類の形態観察では、魚種間で共通して測定できる生殖腺指数(GSI)が重視されているが、様々な欠点もある。

一方、第二次性徴は魚種間で共通した形態がないことが多いものの、固有の感度が高い形態を用いれば明確な評価につながる利点がある。メダカの場合も様々な第二次性徴が報告されており、特に背鰭と臀鰭の形態がよく用いられている。

今回開発した分節計数法は、臀鰭の後ろから2番目の軟条の分節数に着目したもので、雌雄で明確な相違が簡便に観察され、従来よく用いられていた乳頭状突起数等と比較しても、精度、手間の点から優れた方法であることが確認できた。

今後、筆者らが開発した小片化法との組み合わせにより、内分泌撹乱作用の評価方法として有効に活用できることが期待される 

キーワード

secondary sexual characteristics, quatitative evaluation method, medaka, endocrine disruption


化学物質リスク管理研究センター

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