"クロスチェックによるカネミ油症ライスオイル中PCDD, PCDF及びPCBの分析

姚 元1, 高菅 卓三2, 益永 茂樹3, 中西 準子4

1科学技術振興事業団
2株式会社 島津テクノリサーチ
3横浜国立大学
4産業技術総合研究所

横浜国立大学環境科学研究センター紀要, Vol.27 No.1 pp.35-52 (2001)


概要

1968年に西日本一帯でカネミ油症事件が発生し30年あまりが経過した。この事件は、北九州市にあるカネミ倉庫株式会社が製造した食用ライスオイル(米糠油)に油の脱臭工程で用いられていた熱媒体が混入したために起きた大規模な食中毒であった。

当初、ライスオイルからポリ塩化ビフェニル(PCB)製品であるカネクロール400が多量に検出されたことから、PCBが発症源物質と考えられてきた。しかし、その後の研究によって、原因ライスオイルから、PCDD、PCDF、co-PCBが次々検出され、油症はPCBよりもダイオキシン類の中毒症という意見が大勢を占めるに至っている。

ここでは、ダイオキシン様毒性に寄与した全ての2,3,7,8-PCDD/Fとco-PCB異性体、PCDD/FとPCB同族体、一部その他の主要PCB異性体についての詳細な定量結果を紹介する。

キーワード

カネミ油症、ライスオイル、PCDD、PCDF、co-PCB、PCB


化学物質リスク管理研究センター

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