"26軒の住宅3部屋における換気量の日変動と季節変動"

篠原 直秀、片岡 敏行、高峰 浩一、中村 利美、本橋 勝紀、西島 宏和、佛願 道男、荒沢 弘子、蒲生 昌志

産業技術総合研究所
化学物質評価研究機構
シグマアルドリッチジャパン
日立化成工業

 室内環境学会 (仙台 2007/12/1)


概要

換気は,室内空気中の汚染物質の除去に極めて効果的な手法である.室内空気質にかかわるリスク管理を妥当なものにするには,換気回数の日変動・季節変動の大きさについてのデータ取得が不可欠である.家の構造,家族構成,生活スタイルの異なる26軒の住宅の約3部屋を対象として,各季節に換気率を7日間連続で毎日測定した.3部屋全体に対する外気導入率(平均±SD)は,夏1.6±1.7 /h,秋0.58±0.94 /h,冬0.61±0.93 /h,春1.2±2.5 /hとなり,夏の換気率が最も大きく,次いで春が大きく,冬・秋の順に換気率が大きかった.夏には窓の開放やエアコンの稼動により外気の取入れが最も大きくなったと考えられる.春も,窓の開放が多いために換気率が大きくなったと考えられる.
3部屋全体での部屋間の空気交換率(平均±SD)は,夏1.7±1.1 /h,秋1.2±1.1 /h,冬1.3±1.3 /h,春1.9±1.9 /hとなり,春夏に高く秋冬低かったが,外気導入率と比べて季節間の変動は小さかった.住宅内での空気の移動が,人の移動に伴って起こる部分が大きく,人の移動は季節間で大きく違わないことが原因と考えられる.

キーワード


化学物質リスク管理研究センター

独立行政法人 産業技術総合研究所