"食品・飲料水経由のニッケルヒトへの暴露とリスク推定"
川本 朱美、恒見 清孝
産業技術総合研究所
第20回日本リスク研究学会 (徳島大学 2007/11/17)
概要
食品・飲料水経由のヒトのニッケル摂取量について,男女別および年齢群に区分して推定した.まず先行研究の食品中ニッケル含有量データより,食品群別含有量を求め,各食品群の寄与を整理した上でニッケル摂取量の分布をモンテカルロ・シミュレーションにより推定した.その結果,摂取量は男性4.35〜11.77μg/kg/日,女性4.69〜11.54μg/kg/日と推定された.また一般毒性,生殖発生毒性のそれぞれの無影響量2.2mg/kg/日,不確実係数を100としてヒト健康リスクを推定したところ,体重あたりの一日摂取量が高い1〜6歳の乳幼児においてリスクが数%程度となったが,20歳以上では男性0.17%,女性0.26%となり集団全体ではリスクは小さいと判断した.
キーワード
ニッケル,一日摂取量,モンテカルロ・シミュレーション,ヒト健康リスク