"Terrestrial Model Ecosystem (TME)手法による土壌生態影響評価の検討"

神谷 貴文1、金子信博2、大場広輔3

1産業技術総合研究所
2横浜国立大学大学院
3農業環境技術研究所

第13回日本環境毒性学会・バイオアッセイ研究会合同研究発表会 (東京 2007/9/15)


概要

本研究では、Terrestrial Model Ecosystem (TME)と呼ばれる、土壌構造を維持した未撹乱土壌で複数の生物種を扱う、野外条件に即した実験系を用いて、銅汚染が土壌生態系に及ぼす影響を評価し、TMEによる土壌生態影響評価の妥当性について検討を行なった。銅添加試験では,微生物群集構造,ササラダニの種組成,ミミズバイオマスの感受性が高く,土壌アンモニア態窒素の増加や植物成長の低下がみられたが,これらの結果は必ずしも長期間重金属汚染が存在する野外の状態を反映するものではなかった.一方,未撹乱土壌は撹乱土壌よりも野外における生態学的機能の状態をよく反映することが明らかになった.以上のように,いくつかの制限条件や改良の必要性があるものの,土壌生態影響評価におけるTME手法の有効性が確認された.

キーワード

未撹乱土壌,ポット試験,微生物群集,ササラダニ,ミミズ,生態学的機能,


化学物質リスク管理研究センター

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