"フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)のヒト健康リスクの評価"

手口 直美、神子 尚子、吉田 喜久雄

産業技術総合研究所

社団法人環境科学会 (長崎大学 2007/9/10)


概要

フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)は軟質塩ビ製品の可塑剤として使用され,様々な媒体から検出されている。既報のDEHPに関するモニタリングデータ等を用いて,わが国住民の年齢群別DEHP摂取量分布を推定した。既報有害性情報からヒト健康リスクを評価する際のエンドポイントを精巣毒性と生殖毒性とした。リスクはDEHP摂取量が各エンドポイントの無毒性量を基準マージンで除した値を超える確率として求めた。精巣毒性ではDEHP摂取量が最も多い1歳男児でも,リスクは1%未満であり,生殖毒性では16歳以上60歳未満の男女におけるリスクは0.01%以下であった。精巣毒性および生殖毒性のリスクは懸念されるレベルにはないと判断された。

キーワード

フタル酸ジ(2-エチルヘキシル),ヒト健康リスク,精巣毒性,生殖毒性


化学物質リスク管理研究センター

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