"クロムの土壌への沈着量推定および土壌生態リスク評価"
神谷 貴文、小野 恭子、蒲生 吉弘
産業技術総合研究所
日本リスク研究学会 第19回研究発表会 (つくば 2006/11/12)
概要
本研究では土壌に沈着する6価Crに注目し,MOE法によるリスク評価により,土壌生態系への影響を推定した.6価Cr排出源としてクロムめっき工場と黄色路面標示に着目し,排出量をそれぞれ43.0 mg/hr,0.018 mg/hr/mと仮定してMETI-LISにより土壌への沈着量を算定した.クロムめっき工場では暴露濃度の最大値が0.055 mg/kgと算定され,6価Crの毒性値2 mg/kgを用いたMOEは10以上となり土壌生態リスクの懸念はないと判断した.一方,道路近傍ではおおよそ100 mより内側でMOEが10未満となり,土壌中Crの形態および価数別分析も含めた生態影響の詳細調査を行なう必要性が示唆された.
キーワード
クロム(Cr),土壌汚染,生態リスク,ミミズ,METI-LIS