"産総研−水系暴露解析モデル(AIST-SHANEL)"
石川 百合子
産業技術総合研究所
詳細リスク評価書出版記念講演会 (秋葉原 2006/1/20)
概要
近年、水生生物に対する毒性が懸念されている化学物質が問題となっている。河川流域での化学物質の観測地点や回数が限られているため、水系暴露濃度に関する情報が不足しており、化学物質の水生生物への影響を評価することが困難な状況にあった。平成13年度からPRTR制度が開始されたことに伴い、化学物質の排出量のデータを容易に入手することができるようになり、化学物質の水系暴露濃度をPRTRの排出量データを使って推定できるような計算ツールが求められるようになった。化学物質リスク管理研究センターでは、産総研−水系暴露解析モデル(AIST-Standardized Hydrology-based AssessmeNt tool for chemical Exposure Load、通称AIST-SHANEL)を開発し、人口密度や排出密度の高い水系における時空間的な暴露評価と対策評価を可能とした。2004年には、一般の人々でも操作しやすいように、ユーザーフレンドリーなモデルとして、AIST-SHANEL Ver.0.8を公開し、2005年11月1日にAIST-SHANEL Ver.1.0を公開した。本モデルは、水系における化学物質のリスク評価・管理のための有用なツールであり、より多くの方々に活用されることが期待される。
キーワード
水系暴露解析、モデル、化学物質、リスク評価、河川流域、流量、PRTR、排出量、暴露濃度