"簡易型ホルムアルデヒド放散量測定器の開発"
篠原 直秀1, 梶原 智寿2, 小林 拓夫2, 内 富男2, 柳沢 幸雄3
1産業技術総合研究所
2ふくはうちテクノロジー
3東京大学
室内環境学会 (北九州 2005/11/21)
概要
近年、住宅の高気密化によって、建材から放散される様々な化学物質により、シックハウス症候群や化学物質過敏症等の健康被害が顕在化してきている。それらの化学物質の室内濃度や建材等からの放散フラックスを把握することが、対策や健康影響評価の一環として重要である。建材からの化学物質放散量を測定する方法としては、デシケーター法やチャンバー法などがあるが、実環境中での放散量測定には使用できない。篠原らは、現場でホルムアルデヒド放散量を測定できる比色型簡易測定器を開発した。本研究では、その簡易測定器の発色測定をするための吸光光度計を検討・改良した。また、本測定器の性能を把握するために、精度の確認、デシケーター法との比較などを行った。測定器の発色強度は、ホルムアルデヒド水溶液の濃度が0.5〜8.0 μg/mLの範囲にあるとき、水溶液濃度と比例していた(Figure 3)。また、同一濃度のサンプルの発色のRSDは、0.3%- 3%と安定していた。測定した10サンプルごとの結果のRSDは、 2.1%〜5.7%であり、本測定器の精度は非常に良いことが確認できた。
キーワード
放散フラックス、ホルムアルデヒド、酵素反応、吸光光度法、現場測定