"室内空気中アセトアルデヒドの14C/12C測定法の確立

加藤 好美1, 篠原 直秀2, 吉永 淳1, 松田 あゆり3, 内田 昌男4, 米田 穣3, 柴田 康行3

1東京大学
2産業技術総合研究所 
3国立環境研究所
4海洋研究開発機構

第8回室内環境学会 (北九州 2005/11/20)


概要

アセトアルデヒドは室内空気中に頻繁に検出されるが、発生源の把握が正確になされていない。室内の主な発生源を大別すると、内装・家具などの接着剤からの放散、化石燃料燃焼などによる人為起源のものと、木材、喫煙やアルコール摂取等によるヒトからの放散などからの天然由来のものとに分けられる。室内環境問題の顕在化によって、近年建材への化学物質使用は減少しているものの、全国の一般住宅のアセトアルデヒド室内濃度は最近の調査の結果でも、平均値20 g/m3(最小値0.26 g/m3、最大値86 g/m3) 1)と依然と高い傾向にある。このことから木材自体からの放散など、人為起源ではないものが、従来考えられてきたよりも大きな寄与をしている可能性がある。以上より、アセトアルデヒドの発生源を天然由来・人為起源に切り分けることができれば、これまでよりも有効なアセトアルデヒド低減対策の提案が可能となるかもしれない。その手法の一つとして、アセトアルデヒド中の炭素の14Cを指標とした方法が考えられる。この方法はバイオマス由来と化石燃料由来の炭素の14C含有割合が異なることを利用するものである。本研究では、アセトアルデヒド分子中炭素の14C/12Cを指標として用いた新たなアセトアルデヒド起源分析法を確立することを目的とする。

キーワード

アセトアルデヒド,室内空気,14C,放射性同位体,発生源特定


化学物質リスク管理研究センター

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