"曝露・リスク評価大気拡散モデル - PRTRデータから大気経由の曝露とリスクを計算する -"
東野 晴行
産業技術総合研究所
日本製薬工業協会 環境安全委員会技術研修会 (東京 2004/2/13)
概要
化学物質の環境や人に対するリスクを調べるための最も基礎となる情報は,物質の環境中の濃度レベルがどれくらいかを知ることであるが,観測だけに頼っていては限界がある。
講演では,排出量から化学物質の環境中濃度分布を計算してリスクを推定する方法として,環境濃度推定モデルを使う方法を紹介する。モデル開発の例として,著者らが開発した広域暴露評価モデルである,曝露・リスク評価大気拡散モデル(ADMER)について,モデルの概要や性能及び適用範囲などの紹介を行う。
またリスクを計算する例として,昨年度から実施されているPRTR制度で得られる排出量データを出発点として,ADMERを用いて大気中濃度分布を計算し,1,3-ブタジエンの発がんによるリスクの人口分布を計算する例を示す。講演で取り上げたモデルや,PRTRの排出量データの入手方法の情報についても併せて紹介する。
キーワード
ADMER, Risk, PRTR, 1,3-butadiene,exposure