"河川中カドミウムの生態リスク評価

宮本 健一, 中西 準子

産業技術総合研究所

第37回日本水環境学会年会 (熊本県立大学 2003/3/5)


概要

河川中のカドミウムによる生態リスクを

1)種の感受性分布法によるリスク評価において、潜在的に影響を受ける種の割合とその生起確率との関係は、従来諸外国で用いられてきた判断基準と比較してどのようなレベルにあるか?
2)影響を受ける種は、どのような生物か?
3)生物保護・生物資源利用の観点から重要な種は影響を受けるか?
4)汚染場所では実際にどのような生物が生息するかの観点から評価した。

その結果、現在利用できるデータから判断すると、Cdによって水生生物群集の持続性へ悪影響が及んでいる可能性を否定できない地点が存在した。

しかし、対策を考える際には、水中の溶存態と粒子・吸着態とを区別して再評価するとともに、その濃度が自然由来なのか人為起源なのかを慎重に判断する必要があり、それらの再評価によっては、生態リスクは懸念レベル以下、あるいは、対策の対象外(自然由来)と判断されることもあると思われた。

キーワード

生態リスク評価, カドミウム, 種の感受性分布


化学物質リスク管理研究センター

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