"HydroBeamをベースとした生態水質モデルによる流域環境評価"
東海 明宏
産業技術総合研究所
実践水文システム研究会 (三重県津市 2002/4/19)
概要
水資源質の評価においては、質に関わる要因として汚濁負荷の排出過程、流達過程、被影響過程を相応の精度でつなぐ必要があり、著者らは、そのためのフレームワークとしてHydro-beamの開発を行ってきた。
水系から流送された汚濁物質の生態系への作用形態は、究極において水生生物体内の反応を介して発現する。このような過程を明示的にモデル化することと、それが簡易な指標で地域水利用計画の評価指標に利用しうることが求められている。
そのために、本研究では水生生物の体外水が取り込まれ、生理学的機構にもとづいた化学物質代謝動力学モデルを導入するとともに、それらを生物のライフステージ毎に推定し、次世代影響指標を提案した。
愛知県庄内川水系を対象に、化学物質として外因性内分泌かく乱物質であるノニルフェノールをとりあげて、このモデルを適用し、水文現象、水質形成現象、生態応答現象との関連について検討した。
キーワード
流域環境評価、次世代影響、Hydro-Beam、リスク評価